<是川縄文館>
八戸市にある是川遺跡は、
縄文晩期の遺物が多数発掘された「中居遺跡」、
縄文前期・中期にかけて繁栄した「一王寺遺跡」、
縄文中期の集落跡である「堀田遺跡」の3つの遺跡の総称で、
同じく青森県つがる市周辺の「亀ヶ岡石器時代遺跡」とともに、
縄文晩期の亀ヶ岡文化を代表する貴重な遺跡群です。
何でもこの是川遺跡は、土地の所有者だった泉山兄弟が
責任者となり、早い時期から本格的な調査を開始したため、
出土遺物が非常に良い状態で多数発掘・保管されたのだとか……。
ゆえに、これらを展示した是川縄文館の
コレクションからは重量感と統一感が感じられ、
一帯に住んでいた縄文人の暮らしぶりが、
より鮮明に伝わってくるような印象を持ちました。
ちなみに、是川縄文観には国宝の合掌土偶だけではなく、
数多くの土偶、土器、漆製品などが展示されており、
そのどれもが数千年もの時を経た
とは思えないほどの「美品」です。
最大限にまで落とした照明効果のせいか、
所蔵されている縄文の遺物たちは、
まるで「縄文の呪術」をかけられ続けているかのように
生々しい「生命力」を纏っていました。