<つるぎ町・一宇>
地方の小さな神社を巡っていて感じるのは、
「見ること」の大切さです。
ガイドブックにも載っていない、
ささやかな神域を探し当てるには、
自らの力で「見ること」が必須で、
わざわざ見ようと意識しなければ、
確実に見逃してしまうような場所が無数にあります。
森の中にひっそりと佇む祭壇や、
草木に埋もれ朽ちかけた石の祠、
あるいは山深いの限界集落の神社など、
見ようとしない人にとっては、
一生見えない場所なのでしょう。
ただ、そんな「忘れられた場所」に、
誰かが目を向けることで、
場の空気は明らかに変化します。
たとえ、特別な神事などをしなくても、
「見ること」により救われる何かが存在するのですね。
地元の人が気づかない何かを見つけることは、
よそ者にとっての大事な役割なのかもしれません。