<羽咋郡志賀町>
「祭り」という観点で能登半島を眺めてみますと、
「口能登」「中能登」「奥能登」という
三つの文化圏に分けられると聞きます。
主に、羽咋周辺の口能登では、
「獅子」が登場する祭りが目立ち、
七尾周辺の中能登では「枠旗」や
「奉灯」を用いた祭りが中心となり、
その先の奥能登では様々な形の
「キリコ」が祭りの主役を努めるのだとか。
また、各々の内容も細かく分かれており、
「アマメハギ」や「あえのこと」のように、
一部の集落や個人宅で執り行われる民間伝承も、
能登の各地に点在しております。
通常、地方のお祭りというのは、
ある程度距離が離れていないと、
他地域の影響は受けにくいものですが、
能登半島の特異な点は、非常に狭い範囲に
「異なる文化圏」が重なり合うようにして
存在しているということです。
ほんのちょっと車を走らせただけで、
入れ代わり立ち代わり毛色の違う
お祭りのエリアが現れ、どことなく
小さな国境を渡っている錯覚に陥ります。
能登という土地全体が、
祭りの見本市のような場所であり、
長い歴史を越えて様々な時代の
信仰を伝える「奇跡の地」なのですね。