たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

吉凶混合の用途

2019-10-18 09:33:50 | 縄文への旅

<つがる市・木造駅>

 

青森県つがる市出土の遮光器土偶

「しゃこちゃん」を眺めておりますと、

自然と目が行ってしまうのが

「欠けている片足」の部分かもしれません。

「身体の一部が欠落してる」という現象は、

土偶全般に見られる特徴ではありますが、

それらの姿を目にするたびに、

やはり落ち着かない感覚を抱くもので、

もぎとられた片足の行方と、

もぎとった「誰か」の意図に思いを馳せるたび、

この時代に起こったであろう

「縄文らしからぬ出来事」が

蘇ってくるような気がするのです。

 

一般的に「土偶の一部を壊す」という行為は、

不具合のある部分を削り取ることで、

ケガや病気の治癒を願ったものだろう

という説が有力視されています。

一方、これらの破壊行為には、

それら白魔術の側面だけでなく、

相手の不運を願うという「黒魔術」

の要素があったとの噂もあるのですね。

もちろん、すべてがネガティブな道具

として使われたわけではないものの、

土偶は常に「吉凶混合」の存在だったと

考えるほうが自然なのでしょう。