<つがる市・木造駅>
青森県つがる市出土の遮光器土偶
「しゃこちゃん」を眺めておりますと、
自然と目が行ってしまうのが
「欠けている片足」の部分かもしれません。
「身体の一部が欠落してる」という現象は、
土偶全般に見られる特徴ではありますが、
それらの姿を目にするたびに、
やはり落ち着かない感覚を抱くもので、
もぎとられた片足の行方と、
もぎとった「誰か」の意図に思いを馳せるたび、
この時代に起こったであろう
「縄文らしからぬ出来事」が
蘇ってくるような気がするのです。
一般的に「土偶の一部を壊す」という行為は、
不具合のある部分を削り取ることで、
ケガや病気の治癒を願ったものだろう
という説が有力視されています。
一方、これらの破壊行為には、
それら白魔術の側面だけでなく、
相手の不運を願うという「黒魔術」
の要素があったとの噂もあるのですね。
もちろん、すべてがネガティブな道具
として使われたわけではないものの、
土偶は常に「吉凶混合」の存在だったと
考えるほうが自然なのでしょう。