***** 大嘗祭 No.38 *****
大嘗祭の舞台となる「大嘗宮」では、
「悠紀殿(ゆきでん)」と
「主基殿(すきでん)」という
2つの建物を中心として儀式が執り行われます。
今回の令和の大嘗祭においても、
当日の夕刻から翌日の明け方にかけ、
天皇陛下はこの2つの社の中で、
様々な供物を神前に供え、
御告文(おつげぶみ)を読み上げた後、
新穀を口にされる所作を繰り返されました。
ちなみに、「悠紀」と「主基」
という名称の語源については、
悠紀は「忌み清まる聖域」、
主基は「それ(悠紀)に次ぐ」
という意味……など様々な説がありますが、
その中に悠紀は「斎酒」であり
「神聖な酒」を指す、
そして主基は「斎酒を捧げる国」
を表すという説が存在するのだとか……。
以前お話ししたように、
大嘗祭で使用される「黒酒(くろき)」
「白酒(しろき)」というお酒は、
「三輪山」とも深く縁する供物です。
新穀を嘗める大嘗祭というお祭りが、
実は「斎酒」を献上する儀式であるなら、
何とも意味深な歴史の裏側が見えてまいりますね。