<大湯ストーンサークル>
ストーンサークルと聞きますと、
大きな円形状の石の集合体にばかり目が行きますが、
ここ大湯ストーンサークルでは、日時計状の組石や、
周囲に散らばる小さな円形の列石、
弓状に作られた石の集合体(配石遺構群)……等々、
メインである二つの環状列石
(万座環状列石、野中堂環状列石)以外にも、
様々な形状の石の遺構が見つかっております。
また、能登の真脇遺跡を思わせるウッドサークルや、
等間隔で並んだ直線の柱列など、木柱をベースにした遺構も、
遺跡全体を取り囲むようにして配置されているのです。
つまり、この場所は「木の文化」と「石の文化」とが、
共存する場所だったとも言い換えられるのですね。
さらには、ウッドサークル内で火を焚いた痕跡があることや、
周辺から多量の土製品が出土したことなどを重ね合わせると、
大湯ストーンサークルという場所は、
陰陽五行の「木」「火」「土」「金(石)」
が揃った「聖地」だったといえるのでしょう。
そうなると最後に残った「水」の要素が気になりますが、
実は「水」は意外なところに存在していたのでした。