<飛瀧神社 ひろうじんじゃ>
「水の聖地」である熊野の神社では、
不思議と「火祭り」が盛んに行われており、
新宮の神倉神社では御燈祭(おとうまつり)が、
そして那智の飛瀧神社では那智の火祭りが催され、
毎年多くの観光客を集めています。
また、熊野地域だけでなく、京都鞍馬の火祭、
富士吉田の火祭など、火祭りが行われるのは、
なぜか豊富な水源を持つ地域がほとんどです。
「火」をモチーフにした熊野の二つのお祭りが、
いつ頃この地に定着したのかはわかりませんが、
神道のみならず仏教や修験道、
ユダヤ教やゾロアスター教など、
様々な宗教的エッセンスを取り入れながら、
今の形に定着したのでしょう。
ちなみに、「火と水」は「かみ」でもあり、
火水が出会うことで、
「生命力の蘇り」 を促すといわれています。
もしかすると火祭りという儀式は、
水を司る神スサノオが、
火の神カグツチを産み亡くなった
母イザナミを弔うための
鎮魂と再生のセレモニーだったのかも知れません。