たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

頬杖土偶

2019-10-05 09:52:34 | 縄文への旅

<是川縄文館>

 

縄文時代も後期に入るに従い、

いわゆる「ポーズ土偶」と呼ばれる、

「手」や「足」の表現に独特の

しぐさが加えられた土偶が現れます。

中期までの土偶たちが、「手」の造形を

簡略化・省略化していたのとは逆に、

これらポーズ土偶たちは、

手足をにょきにょきと長く伸ばし、

両手を合わせたり、腕を組んだり、

体育座りをしたりと、どことなく人間的で

ユーモラスな造形を伴うのが特徴です。

 

ちなみに、ここ八戸市の是川縄文館には、

ポーズ土偶の代名詞・合掌土偶の他にも、

「頬杖土偶」との愛称を持つ、

頬に手を当て物思いに耽っている

ような土偶が「在籍」しております。

「手(および足)」に動きが付きますと、

私たちの目は自然とその部分に注目し、

無意識にそこから何かを読み取ろうと

するものですが、わずかに斜め上に

視線をやりながら、顎のあたりを

触りつつ考え込む「頬杖土偶」の姿には、

何ともアンニュイなムードが漂っておりました。