<是川縄文館>
縄文時代も後期に入るに従い、
いわゆる「ポーズ土偶」と呼ばれる、
「手」や「足」の表現に独特の
しぐさが加えられた土偶が現れます。
中期までの土偶たちが、「手」の造形を
簡略化・省略化していたのとは逆に、
これらポーズ土偶たちは、
手足をにょきにょきと長く伸ばし、
両手を合わせたり、腕を組んだり、
体育座りをしたりと、どことなく人間的で
ユーモラスな造形を伴うのが特徴です。
ちなみに、ここ八戸市の是川縄文館には、
ポーズ土偶の代名詞・合掌土偶の他にも、
「頬杖土偶」との愛称を持つ、
頬に手を当て物思いに耽っている
ような土偶が「在籍」しております。
「手(および足)」に動きが付きますと、
私たちの目は自然とその部分に注目し、
無意識にそこから何かを読み取ろうと
するものですが、わずかに斜め上に
視線をやりながら、顎のあたりを
触りつつ考え込む「頬杖土偶」の姿には、
何ともアンニュイなムードが漂っておりました。