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桑の海 光る雲

桑の海の旅行記・エッセー・書作品と旅の写真

荒島岳

2013-07-14 13:05:35 | 旅行記

6/30(日)

朝6時にホテルを出発して、大野市の勝原にある登山口を一路目指します。大野方面の空には雲が浮かんでおり、どうやら山頂での展望は望めそうもありません。例によって気勢が上がらないまま車を走らせました。

大野まで約30㎞。大野盆地に入ると真正面に荒島岳が聳えているはずなのですが、半分から上は雲に隠れて見えません。すっかり意気消沈して、とにかく登ることに意義があると気を取り直しました。勝原まではさらに山に入って5㎞ほど走ります。登山口は廃止された勝原スキー場にあります。駐車場もスキー場の駐車場をそのまま利用しています。この日は梅雨の晴れ間の日曜日ということで、登山口脇の駐車場は既にいっぱいで、私は入り口近くに路駐するような感じで駐車しました。

最初はスキー場のゲレンデだったところを登っていくのですが、これがいきなりハードで閉口しました。けっこうな斜度のゲレンデを直登している上に、舗装されているのです。いきなりきつい登りで汗が流れ出ました。しかし、荒島岳は容赦しません。この先もひたすらハードな登りの連続で、下りや平坦なところはほとんどありませんでした。階段が付けられたところにしても、階段のない登山道にしても、とにかくジグザグもなくひたすら斜面を直登していくばかりなのです。周囲は新緑ですが、それに見入っている暇もなく、少し登っては休み、少し登っては休みを繰り返します。しかも日曜日ということで数多くの登山者がおり、また、早朝から登り始めた人の中には早くも下山してくる人もあり、そうした人を交わすたびに足を速めたり、避けたりしなくてはならず、その上そういう人に接するのが決まって斜度のきついところだったので、これまた閉口しました。

さらに悪いことに、この日着ていたポロシャツが、おろしたてだったのです。学校の文化祭で作ったもので、ポリエステルの速乾性の生地だったので、汗も乾きやすいだろうと思って着ていったのですが、新しいために肌の方が慣れておらず、汗を吸った生地が肌にとても不快でした。同じなら着慣れた綿シャツの方が、たとえ汗で濡れてしまっても肌触りが気にならなくて済んだのにと後悔することしきりでした。

途中小荒島岳からのルートと合流するところで一瞬平坦になり、下りもあるのですが、ここから山頂までの登りもひたすら急登でした。前荒島から稜線に出たのですが、ここからはガスの中に入りました。山頂もガスの中。しかも結構風が強く、肌寒くすらあります。写真を写して早々に下山しました。山頂から少し下ったところで、登ってくる人とすれ違う時に突然「ひょっとして群馬ナンバーの車の人ですか?」と声を掛けられました。「そうですが。」「どちらからですか?自分は伊勢崎です。まさか群馬の人がいると思わなくて。」「私は前橋です。驚きですねぇ。」どうやら、群馬ナンバーの車から私が降りてくるのを見て、それをずっと覚えていていたようです。しかも私はめったにいない手ぬぐいを頭に巻くスタイルで登っているので、身なり格好も覚えていたのでしょう。それにしても驚きました。

ひたすら急登ということは、下りはひたすら急斜面を降りていくことになります。下りが苦手な私としては、急な下りはますます苦手です。しかし、下らないわけにはいきません。分岐点まで戻って腹ごしらえをし、後はひたすら下り続けました。うんざりするほど下った後、ようやく木々がなくなり、草が生い茂る斜面をトラバースしていくと、舗装された道が現れ、廃墟になったスキー場のレストハウスが目に入りました。そこをほとんど駆け足で下っていくと間もなく駐車場に着きました。携帯で時間を確認すると、登り3時間、下り2時間半で、登りはコースタイムとほぼ同じ、下りもコースタイムより15分ほど短いだけでした。

荒島岳をはっきり言ってなめてかかっていました。こんなハードな山(別のルートはもっと穏やかだそうですが、登山口までのアプローチが良くないそうです)だとは思ってもみませんでした。

勝原には日帰り温泉がないので、大野まで戻り、清掃工場に併設された温泉に浸かりました。風呂から出て駐車場に戻ると、田圃の向こうに荒島岳が鋭く聳えているのが見えました。この前登った剣山同様、下山後に山頂が見えるというパターンでした。


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