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礼文の旅2008・その6

2008-08-01 20:53:24 | 旅行記

礼文滝に行く道を曲がった。入り口には監視員のプレートを掲げている車が1台停まっている。ある内緒のことを計画している私にはちょっと邪魔な存在だったが、今日は時間もたっぷりある。いつかいなくなってくれるだろうと高をくくって、ハイジの谷へと向かっていった。

それにしても暑い!ハイジの谷へ降りていく道は笹藪と林の中を通っているので、風通しが悪い。流れる汗をぬぐいながら道を下っていく。

今回の礼文ではずっとスニーカーで歩いているので、足の痛みがある。それを我慢しながら歩いていくと、目の前が開け、ハイジの谷の見慣れた光景が目の前に広がった。誰もいない。監視員とも既にすれ違っている。私はひとまずその内緒のことを実行しようと急いで道を下っていった。

内緒のこととは、ある場所へ行くことである。私は晴れの日のその場所が、晴れの日の礼文岳山頂と並んで、礼文で一番好きな場所なのである。私は静かにその内緒のことを実践した。

その場所はやはり素晴らしかった。前回訪れたのはもう8年ほど前になるが、あの時同様にチシマゲンゲとヨツバシオガマがたくさん咲いていたが、前日に見たゲンゲの丘同様、以前訪れたときよりも花の数は少ない。予想はしていたもののやはり寂しい。でも、私が礼文で一番好きな場所に、こうした素晴らしい天気の日に訪れ、花々が咲く遠くに利尻山が聳えているのを眺めることができ、満足だった。できればここでしばらくゆっくりしたかったが、諸事情あって、写真を何枚も写して30分ほどでその場を後にした。

礼文滝には降りなかった。降りて滝の下でお昼を食べようとも思ったのだが、滝の横を再度上がるのは嫌だし、滝から元地方面へ海岸に沿って歩いていくのは禁止されているので、滝には行かずにそのままペーターの丘へ戻って、そこでお昼にした。他に人は誰もいない。ペーターの丘の北側斜面にはたくさんのレブンウスユキソウが咲いている。レブンウスユキソウ群生地よりもたくさん咲いており、しかも見頃である。群生地では他の植物と混じって咲いているが、ここでは礫地にレブンウスユキソウだけが咲いているので、ことのほか美しく見える。レブンウスユキソウが咲く向こうに、緑色のハイジの谷全景と、その向こうの青い海が見える。その様子を写真に収め、1時間ほどゆっくりしてハイジの谷を後にした。

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