桑の海 光る雲

桑の海の旅行記・エッセー・書作品と旅の写真

書道について③

2006-10-15 20:29:25 | 日記・エッセイ・コラム

○家にあった書道用具との出会い~塾に通う

ある時、家にあったタンスをごそごそやっていると、書道用具一式が出てきた。母が昔使っていたものだった。すぐに母に見せ、使い方を教えてもらい、菓子を包んであった半紙に何かしらの字を書いてみた。何という字を書いたのかは覚えていない。しかし、書き方を教えてもらったわけでもなく、自分で好き勝手に書いてみたのだが、これを家族は上手いとほめてくれた。

これが、私と書道との出会いだった。

小学校のクラスメイトで、書道の塾に通っているのが何人かいた。話を聞くと、週に2回くらいで、半紙を何枚か書いて提出するだけで、時間はそれほどかからないという。教えてくれた友達は、面白いから来いと言う。私は家に帰り、○○君も行っている書道塾に通いたいと話したのだと思う。話はすぐに進み、友達が通っているのと同じ書道塾に通うことになった。確か、小学2年の12月だった。

塾では60歳くらいのおじいさんが教えていた。私の祖父の知人でもあった。はじめに先生が私の手を持って、「おまつり」と1枚の半紙に書いた。次に私が自分でその4字を1枚書いた。(それが最初の作品となり、競書雑誌に発送された。)

翌週から週2回塾に通い始めた。最初の時に書いた半紙には、「○○くんは手筋がよい」と朱筆で書き込まれていた。もちろん崩し字も使われていて、私は小学生の頃からそうした文字に慣らされることとなった。

書いている時に先生が指導することはあまりなく、先生は大人の塾生とおしゃべりしていることが多かった。だから、文字を書きながら、いろいろな大人の事情を耳にすることができたのは面白かった。塾ではクラスメイトにもよく会い、楽しい時間を過ごした。半紙には一文字一文字に毎回朱が入れられており、たまに三重丸がついていることがあって、その時はすごく嬉しかったのを覚えている。

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