はぐれ遍路のひとりごと

観ながら歩く年寄りのグダグダ紀行

海から剣が峰へ1日目-2

2011-08-16 15:20:36 | 低山歩き
                    水ヶ塚駐車場へ
           

9:50発(16.9km)―子供の国
 子供の国を出るとすぐに富士市と裾野市の境界に出る。ここまで来れば嫌な国道歩きももうすぐ終わる。
右側に愛鷹山の越前岳の登山口が出て来た。初めはここの水道で冷感タオルを水にしたす予定だったが
海から子供の国までの経過時間が予想以上にかかったことで気分的に焦ってきてしまった。
そこで冷感タオルは中止。そのまま十里木の中に進んでいく。

          

十里木街道とは東海道がまだ箱根越えでなく足柄峠越えの時代に、東海道の抜け道として富士川方面から
愛鷹山と富士山の間を抜けて足柄峠の麓の竹之下まで通じていた街道だ。
今でも地元の人は富士、御殿場間の抜け道として利用する人は多い。
かく言う私も実家の御殿場に帰省するときはこの道を利用させてもらっている。
またここには子供の国を初めに富士サファリーパーク、遊園地、ゴルフ場、別荘地などがあり、観光の車が
頻繁に行きかっている。

          
十里木の関所跡の記念碑を過ぎると八幡神社の鳥居が建っている。ここで国道とはお別れで富士山への道は
鳥居を潜って涼しそうな木陰の道に入っていく。
この辺りに源頼朝が富士の巻狩りのとき利用した「頼朝の井戸」があるはずなのだが---
それらしき看板は見当たらない。尤も案内板があってもきっと行かないだろう。先に不安を持つ身としては
余計な時間は使いたくない。

          

何だろうこの花は?花は百合のようだが葉は牛蒡のようだ。その花が点々と咲いている。
写真に撮ってネットで調べてみたが結局花の名前は分からなかった。
涼しかった道は別荘地に行く車道に出合い、また暑い行進が始まった。

          

道の両側にはペンションが何軒か建っていて車も停まっているが避暑客らしい姿は見当たらなかった。
高原の別荘地で想像するのは、下を向いた深窓のお嬢さんとか、テニスや自転車に乗った活発な女性などだが、
そんな想像をする私は古い人間なのか?それともまだまだ若いのか?
ただ残念な事に誰一人も別荘地を歩いている人に出会わなかった。

          

別荘地を抜けると遊園地グリンパやゴルフ場行く有料道路に入る。
富士山に向って一直線に延びる道を料金所跡まで行けば、あとは須山口登山道の涼しい道になる。
あと一頑張りだ。

          

11:05着22.3km―弁当場―11:20発
料金所跡の横から登山道に入ると気温は数度下がったように感じた。道も舗装道路と違い足に優しい山道になった。
そして登山道を5分も歩かないうちに水場の弁当場に着いた。
弁当場とは源頼朝が富士の巻狩りのとき、この水場を露営地として炊事万端を整えた基地だった事から名付けられたという。
今でもこの水は須山地区の生活用水として使われているとあった。
またこの水にはバナジュームが含まれていて美味しいと、水を汲みに来る人が後を絶たないらしい。
現に今も車で水汲みに来ている人が順番を待っていた。
しかしその水場には「この水は飲料ではありません」の立札が。???
その看板の下には「この付近に熊の出没 注意必要」ともある。オーコワ!
矢張り明るいうちに樹林帯を脱出しなければ----。
列の途中に入れてもらい飲んだ水は冷たく美味しかった。序でにペットボトル2本に水を補給。
これで明日の水も大丈夫だろう。

          

須山口登山道は昨年も歩いているので余裕を持って歩けた。
ただ心配していたのは、この登山道は何度か沢を横断したり沢の中を歩く場所があるので、
雨の多かった今年は沢に水が出ていないか心配だった。だがそんな心配は不要だった。
どこの沢も水は一滴も無く全て涸沢だった。

          

登山道の横には遊園地やゴルフ場もあり、時折スピーカの案内の声も聞こえてくる。
そんな声を聞いていると、ここが熊出没注意!の場所とはとても思えない。
途中でゴルフボールが落ちていた。
たった一人しか居ないはずの原生林の中でも、これでは余り孤独感も味わえなかった。

2ヶ所目の水場で長めの休憩にした。蛇口をから出る水は冷たく水に手を何秒も入れておけない。
ただここの水は去年飲んだら苦く感じたので、今年は飲むのも水の補給もしなかった。
多分大丈夫と思うが腹の調子が悪くなって剣が峰まで辿り着く事ができないと困る。用心!用心!

          

水場から急な道を登ると車の轍跡のある道に出た。車の音も聞こえだすと道の前方には富士山スカイライン越しの富士山が見えてきた。水ヶ塚の駐車場はあと少しだ。

          

13:30着(26.9km)―水ヶ塚駐車場
水ヶ塚駐車場は富士山のマイカー規制日の時の駐車場で、ここから富士宮新5合目までシャトルバスが運行されている。
今日は規制日でないので駐車している車はほんの僅かだった。
またここからは三島行きの路線バスも運行されていて、最終の19時までに2時間に1本の割合で走っている。
去年はここからこのバスで三島まで下ったのだが、今年はまだまだ先がある。
ここから更に上の6合目まで歩かなければならない。

海からここまでの歩行時間は予定より15分遅いだけだった。
それに弁当場から水ヶ塚までの歩行時間も去年と全く同じ2時間だった。
これなら明るいうちに樹林帯を抜け出せそうだ。正直ホッとした。
最悪の場合は水ヶ塚で去年のように中断する予定だったが、これで続行を決意した。

と言っても道を横断し売店まで冷たいアイスを買いに行く余裕はなかった。