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すずしろ日誌

介護をテーマにした詩集(じいとんばあ)と、天然な母を題材にしたエッセイ(うちのキヨちゃん)です。ひとりごとも・・・。

雨(バックナンバー)

2007-05-05 19:29:21 | じいとんばあ
    雨

 あなたの訃報を 新聞で知る
 ごめんなさい 力不足でしたね
 あの頃は 私たちなりに 精一杯のつもりでした
 あなたと共に闘って闘って 戦って・・・
 
 でも結局 
 「手に負えない」と音を上げたのは私たち
 あなたを送り出した終の棲家は
 果たして 間違っていなかったのだろうか
 「落ち着いてきたから近々帰ります」
 家族の言葉を慰めにしてたのに
 ついにあなたは帰らなかった
 
 専門職によるお薬と拘束の日々を
 私たちはどうこう言えるはずもない
 だって 私たちが手放したのだもの
 苦い思いだけが心に残る
 
 あなたの流した涙雨を忘れません
 決して すべてを洗い流してはくれないでしょう


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キヨちゃんとキヨっさんとクリと・・・

2007-05-04 11:23:48 | うちのキヨちゃん
 うちの母が「キヨちゃん」であることは、タイトルにもあるのでご存じだろう。実は父は「キヨっさん」という。夫婦漫才のようだが、事実である。母はこのことを利用し、父が自分で手紙を書いていた昔は、達筆に書かれた父の年賀状にちゃっかり「子」だけ書き添えて仕上げていた。さすがはキヨちゃんである。
 そして愛犬は「クリ」という。今私は「闘病中のキヨっさん」と「闘病中のクリ」と「天然のキヨちゃん」と暮らしているわけだ。(ま、猫もいるのですけど)
 昨日は朝4時半に起床。クリにドライフードを食べさせ、抗ガン剤と増血剤を飲ませる。そして広告の裏にキヨちゃんへの置き手紙。
 「クリごはん食べました。かりかり食べました。お湯わいてます。洗濯ふわふわ(物の名前参照)してます。(つまり後は干すだけだからお願いの意味)お昼レバーあげてね」
 仕事から戻ると母からの報告。
 「クリうんち出たけど黒い」
 「それは増血剤の影響やから心配ないよ」
 「父ちゃん、今日はぼけぼけしとる」
・・・、そっちが大変だと思うのだけど。
 ここ最近父は至って調子よかったのだが、愛犬の発病が堪えたのか、時々また怪しいことがある。
 「あんまり父ちゃんぼけぼけするけん、今クリがこんな時に父ちゃんがそんなでどうするん!しっかりしない!って言うたんよ」
・・・、逆のような気がするのだが・・・。父も闘病中なのだし、あんまりじゃないか。
 父の所へ行くと透析の準備中。普段母がやっているのだが、忘れてないか心配になったらしい。何も「ぼけぼけ」してるときに確認しなくてもいいのに、自分の呆け呆け度も確認したかったようだ。案の定、間違う。味方(私)がいるのでふたりとも強気だ。
 「見ない!父ちゃん間違うとる。ぼけぼけしとるんじゃけん、さわられん。」
 「うるさいなあ、母ちゃん、今日はこうやってずっと怒るんよ(と私に)」
いくらか、口げんかの末、ちょっと力んだ父が一言。
 「あ、父ちゃんうんこちびっちゃった・・・」
 どうやら、すっきり出ないものだから、坐薬を入れていたようなのだ。慌ててポータブルトイレに座らせて、下着を替える。それを見て母が
 「何言いよん、うんこや出てないでえ」 
 「いや、出たんじゃ」
くだらない押し問答のすえ、父が下着をひっくり返して見せる。かすかに汚れている。
 「ほりゃ見てみい、出とるやろが!」
・・・。これも逆だと思うんだよなあ。出た物を「出てない」と言い張る方が普通じゃないかなあ。
 「ありゃ、ほんまじゃ、父ちゃんえらいねえ」
・・・。この母のコメントもどうかなあ・・・。
 なんだかんだ言いながら、仲良しの家族ではあるが、この中での「闘病」をうちの愛犬はどう感じているのだろう。私の苦悩(????)は続く。


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とても長い一日・・・

2007-05-02 00:37:04 | ひとりごと
 もう、昨日になってしまった。昨日はとてもとても長い一日だった。
 最近、うちの愛犬の食欲が落ちていた。初めは「年かな?」と思っていたけれど、何だかお通じの感じも悪い。さらにおとといは嘔吐。お腹も張っている感じがする。さすがに心配も悪い予感へと移行する。
 猫の一件は先日書いたとおり、二日飲まず食わずで心配させた割に、何事もなく終わったので、今回もそうだといいな・・・とかすかな期待はあった。
 午後からの仕事だから、風雨の中朝から掛かり付け医に。触診でドクターの反応が曇る。レントゲン、エコー、血液検査。エコーでは私が見ても分かるほど、腹水が溜まっていた。血液検査では、貧血、肝機能の数値が悪い。腹水の検査も総合して、悪性リンパ腫との診断がおりた。脾臓はまだらだし、腹水にも細胞が混ざっている。たぶん全摘しても転移の可能性が大・・・とのことだった。
 ドクターとの相談で、開腹手術はやめて、抗ガン剤での延命治療を選択した。淡々と話を決めながら、私の涙腺はゆるみっぱなしで、どうしても涙をこらえることが出来なかった。「どうしたの?」と言いたげな犬の顔を見ていると、また泣けてきた。
 家に戻って両親に報告。二人の落胆ぶりも、痛々しいほどだった。後ろ髪を引かれながら、仕事へ。23時に仕事を終えて、携帯を見ると、母から着信。留守電に「21時までお腹なでてたん。かわいそうやから、早う戻ってきてな・・・」
 家に付くと、病気とは思えないくらい明るくしっぽを振ってお出迎え。夕方は注射(抗ガン剤)が堪えたのか、お散歩できなかったらしいので、それから、散歩。散歩から戻ると、いつもなら夜中の夢の母が、起きている。
 「もう、泣くのやめよう。これからやから。これから長い闘いやから。」
 そう、母に言った。自戒を込めて。父の時もそうだった。そして、今でも頑張ってるじゃないか。完治は無理だろう。でも、いい余生を送らせてあげたい。だから、もう泣かない・・・。


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