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《『宮澤賢治』(國分一太郎著、福村書店)》
過日、賢治研究家のお一人から『こつう豆本121 賢治の周辺』(金子民雄著、日本古書通信社)を薦められた。
するとその中に、「私の読んだ賢治に関わる本」という章があった。特にその中で興味深かったのが次のような記述である。
昭和二十年代の本の中で、かなり熱心に読んだ一冊に国分一太郎『宮沢賢治』(昭和二十七年)福村書店があり、これを除く訳にはいかない。せいぜい百ページ足らずの本であったが、国分は、資産家の伜として労せずに生活していた賢治に、あまり好意的な感情を抱かず、かなり辛口な批判も述べられていたものの、それは時代背景がそうさせていたことだし、本としてはよくまとまっていたと思えた。
〈『賢治の周辺』(金子民雄著、福村書店)76p~〉そこで私は、國分一太郎の『宮澤賢治』を早速注文したのだった。というのは、金子氏は同書の中で、
昭和三十一年から三十三年になると、筑摩書房版全集が刊行されることになる。賢治研究の新しい夜明けといってよいであろう。内容はこれまでの全集と比べて飛躍的に増補され、疑問の多かった草稿類も整理され、誰しもがこれが決定版になるものばかり信じた。…(投稿者略)…ところがこれがとんでもない目論見違いであり、これから以後、修正版に次ぐ修正版が続くのである。まさにどこまで続く泥濘であった。ずっと後年に校本全集が出て、これで完了かと思ったらさらに新版の校本全集が編集される有様で、賢治全集はまさしく詐欺まがい商法と変わりない。これは声を大にして批判されるべきであり、少なくとも出版社と監修者は、読者に向かって一言あって然るべきで、謝る心があってもよかった。
〈同64p~〉と述べていて、私もそう言われてみると金子氏の批判は尤もなことだと思ったからである<*1>。おかしいと思ったことをおかしいと堂々と批判している金子氏が「これを除く訳にはいかない」と言っている本、國分一太郎の『宮澤賢治』がどんなものか是非知りたいと思ったのだった。
<*1> しかも、最新の『新校本宮澤賢治全集第十六巻(下)年譜篇』(筑摩書房)でさえも、下掲の『本統の賢治と本当の露』の、
第一章 本統の宮澤賢治 2
1.「修訂 宮澤賢治年譜」 3
2.「賢治神話」検証七点 7
㈠ 「独居自炊」とは言い切れない 7
㈡ 「羅須地人協会時代」の上京について 25
㈢ 「ヒデリノトキニ涙ヲ流サナカッタ」賢治 43
㈣ 誤認「昭和二年は非常な寒い氣候…ひどい凶作」 65
㈤ 賢治の稲作指導法の限界と実態 69
㈥ 「下根子桜」撤退と「陸軍大演習」 84
㈦ 「聖女のさまして近づけるもの」は露に非ず 91
をご覧になればお解りいただけると思うが、かなりおかしな点がまだまだ残っていて、その修訂が喫緊の課題だと私は思っている。
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賢治の甥の教え子である著者が、本当の宮澤賢治を私たちの手に取り戻したいと願って、賢治の真実を明らかにした『本統の賢治と本当の露』
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〈平成30年6月231日付『岩手日報』一面〉
を先頃出版いたしましたのでご案内申し上げます。
その約一ヶ月後に、著者の実名「鈴木守」が使われている、個人攻撃ともとれそうな内容の「賢治学会代表理事名の文書」が全学会員に送付されました。
そこで、本当の賢治が明らかにされてしまったので賢治学会は困ってしまい、慌ててこのようなことをしたのではないか、と今話題になっている本です。
現在、岩手県内の書店での店頭販売やアマゾン等でネット販売がなされおりますのでどうぞお買い求め下さい。
あるいは、葉書か電話にて、『本統の賢治と本当の露』を入手したい旨のお申し込みを下記宛にしていただければ、まず本書を郵送いたします。到着後、その代金分として1,620円(本体価格1,500円+税120円、送料無料)分の郵便切手をお送り下さい。
〒025-0068 岩手県花巻市下幅21-11 鈴木守
電話 0198-24-9813
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