みちのくの山野草

みちのく花巻の野面から発信。

いくら何でもそれはないでしょ

2019-01-17 12:00:00 | 賢治関連
《『ベートーヴェン捏造-名プロデューサーは嘘をつく-』(かげはら史帆著、柏書房)》

 さて先頃まで、『ベートーヴェン捏造-名プロデューサーは嘘をつく-』に関して少しく述べてきたのだがそのことを通じて、シンドラーのみならず、洋の東西を問わず、たしかに「名プロデューサーは嘘をつく」のかもしれんなと後味の悪さを感じていたのだが、同時期にそれを上回る後味の悪さを感じてしまった事がある。

 少し前に戻るが、たまたましかるべき筋から「ヒドリ」と「ヒデリ」についての意見を求められたので、それをついでに〝「ヒドリ」と「ヒデリ」私見〟と題して拙ブログに投稿した。そのことがあって、ある方から「あの方」のブログをご覧になれば参考になると思いますというアドバイスをいただいた。するとそのブログには、
 「雨ニモマケズ」が記された「雨ニモマケズ手帳」には、ヤスとの別れの場面と思しき「きみに並びて野にたてば」が書かれている。
とか、
 「雨ニモマケズ」を書いたとき、賢治のこころにヤスがいたことは間違いない。
というようなことが書いてあった。私は唖然とした。まあ、どんなことを推測しようがその方の自由でしょうとは思いつつも、その唐突さと、根拠があまりにも薄弱なのではなかろうかと思ったからだ。しかも続けてその「あの方」は、
 賢治は、日照りの夏にヤスを失い、そのヤスの結婚は、賢治にとっては「身売り同然」と感じられた。ヤスの結婚の日取りは、決して喜ぶべきものではなかったのである。
と断定調で書いていた。そこで私は、おいおい、どうして賢治の心の内がそこまでわかり、その根拠は何なんだよ、と詰りたくもなる。せいぜい書けるのは推定段階までであり、そんな断定などできるわけがないだろうに、と茶々を入れたくもなる。

 だが、ここまでの私は「茶々」であった。ところが何と、その「あの方」があろうことか次のようなことまで書いていることを知ると、もはや私はその方の人権感覚を疑わざるを得なくなった。
「ヤスさんと賢治さんはプラトニックだったのですか?」という質問があり、それについて(その「あの方」)は、「プラトニックではないと考えております。ヤスさんがアメリカで出産した子どものことを、賢治さんはたいへんきにしております(現時点では、死産ということにされています)。自分の子どもであるかも、と考えていたようですし、実際、その可能性はあります。」と答えています。
いくら何でもそれはないでしょ、そんな人権に関わるようなことを著名な「あの方」が公になさっていいのですか、それも検証できたことでもないことを安易に、と私は強く抗議したい。

 当然のことながら、このことを憂えているのは私一人だけではなく、例えば、
    ここまでくると妄想を通り越しているようにも感じてしまいます。
と嘆いている方もおられる。

 つきましては、その「あの方」におかれましては、拙ブログのこの投稿にお気付きになっていただきたい、と今はひたすら願っている。あるいは、どなたかお気付きの方が居られましたならば、花巻の老いぼれがとても心配していましたよ、とどうかその著名な「あの方」にお伝え願いたい。

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 賢治の甥の教え子である著者が、本当の宮澤賢治を私たちの手に取り戻したいと願って、賢治の真実を明らかにした『本統の賢治と本当の露』

             〈平成30年6月28日付『岩手日報』一面〉
を先頃出版いたしましたのでご案内申し上げます。
 その約一ヶ月後に、著者の実名「鈴木守」が使われている、個人攻撃ともとれそうな内容の「賢治学会代表理事名の文書」が全学会員に送付されました
 そこで、本当の賢治が明らかにされてしまったので賢治学会は困ってしまい、慌ててこのようなことをしたのではないか、と今話題になっている本です。
 現在、岩手県内の書店での店頭販売やアマゾン等でネット販売がなされおりますのでどうぞお買い求め下さい。
 あるいは、葉書か電話にて、『本統の賢治と本当の露』を入手したい旨のお申し込みを下記宛にしていただければ、まず本書を郵送いたします。到着後、その代金分として1,620円(本体価格1,500円+税120円、送料無料)分の郵便切手をお送り下さい。
      〒025-0068 岩手県花巻市下幅21-11 鈴木守
               電話 0198-24-9813

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