気の向くままに

山、花、人生を讃える

「金木犀」が私に言った

2020年10月15日 | 

今日は雲一つない秋晴れの快晴。
そして我が家の金木犀もようやく開花した。

 

剪定に行くと、松やマキと同じく、金木犀もたいがいの家にあるのだが、それは花が咲いたとき、辺り一面によい芳香を放つからだろう。我が家の金木犀もそうだった。

 

何時頃のことか行楽に出かけた時、金木犀が好い芳香を放っていて、その時、家内から「金木犀」と教えられた。そして、わが家にも欲しくなり、玄関前に植えたのである。それが今では1階の屋根より高くなったので、3年前から少しづつ低くし、茂った枝を間引き、透かすようにしてきた。

 

よその家に剪定に行くと、よく言われるのが「もっと小さくしてほしい」である。
花が咲いている時は良いが、そうでないときは大きくなりすぎて鬱陶しがられているのも金木犀の特徴である。一度大きくなったものを、小さく、小ざっぱり仕上げるのはそれなりに骨が折れる。しかし、「おかげで、さっぱりしました」と喜ばれると嬉しいものだ。

 

4、5年前と思うが、どういう加減か、2年続けて花を2度咲かせたことがあった。
1度散ったあと、またいつの間にかたくさん花をつけていて驚いたのだった。
剪定仲間に「金木犀は2度咲くことがあるのか」と聞いても、みんな「知らない」という返事だった。

 

ここまで書いて、念のためにインターネットで調べたら、そんな記事がいくつか出ていて、それほど珍しいことではないと知った。
が読んだ一つの記事には、2度咲いたときの1度目は、咲いて2日後に早くも散ったらしい。それで「散るのが早すぎる」と思っていたら、またもりもりと2度目の蕾をつけ、散った1週間後には花を咲かせたという。

 

私はこの記事を読んで、その早業に驚き、まさに木は「動いている」という感じがした。そして、あの木のどこからそんな蕾ができ、花を咲かせるのだろうかと、今さらながら不思議に思った。

 

すると、金木犀が私に向かって言った。
「あら、あなた、今頃そんなことに気がついたの。随分気づくのが遅いじゃない。
私だって、あなたに負けないぐらい毎日動いているのよ。あなたたちの目には、何にも動いていないようにみえるだろうけどね。
それに、それもあなた達人間に喜んでもらうためになんだよ。そういう努力、ちゃんとわかってよね。
あんた、私を斬っといて、お金貰うことばかり考えてんでしょう。嫌な奴!」

 

「はい、どうも、すみません」

 

   

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする