気の向くままに

山、花、人生を讃える

思うようにいかない悲しさを乗り越え

2018年10月07日 | 人生

この記事は、 始めはややこしそうなことを書いていますが、はじめだけですので、ややこしいところは流していただいて、最後まで読んでいただければと思います。

 

前の記事で貴乃花の相撲界引退について書きましたが、そのことから私はアインシュタインのことを思い出しました。

 

アインシュタインは20世紀の初めに二つの「相対性理論」を発表しました。
一つは、1グラムの物質にも莫大なエネルギーが秘められていること。
一つは、それまで空間はどこまでも均一に広がり、時間もどこまでも均一に刻まれていくものとして考えられていたが、時間も空間も均一ではなく、進む時間が早くなったり遅くなったり、空間もゆがんだり縮んだりと相対的に変化するものであこと。そして時間と空間は二つにあらわれていても同じ一つのものであること、それによって時間・空間は一つの時空としてあらわされ、その時空と物質(エネルギー)の関係を一つの方程式で表しました。

 

ある実験で、その方程式が示す理論の正しいことが証明されたとき、科学者たちは、宇宙を構成する時間と空間と物質の関係がたった一つの方程式で表されている、そのシンプルな美しさに涙を流さんばかりに感動したといいます。そしてこれにより、それ以前に比べ宇宙のことがずいぶんわかってきました。

 

そして一躍有名になったアインシュタインはいろいろな国から招待を受け講演するのですが、日本からの招待状には、兼ねてから行きたいと思っていたのでひときわ喜んだとのこと。そして、1ヶ月の日本滞在中、各地で相対性理論の専門的、あるいは一般向けの講演を行い、国民が講演を聞きたいと会場からあふれんばかりに押し寄せ、その熱心さにアインシュタインも感激したとのこと。また、忙しい合間をぬって名所を見学し、日本の美しさにも感激したそうです。(アインシュタインの日本滞在は1922年11月17日~12月29日)

 

しかし、やがてドイツではナチスが台頭しユダヤ人の迫害が始まり、ユダヤ人であるアインシュタインはドイツを逃れてアメリカに逃れますが、その頃、アインシュタインが発見した「1グラムの物質にも莫大なエネルギーが秘められている」ことをもとに、ドイツが原爆の開発を始めたという情報がもたらされました。

 

ドイツのような国が原爆を開発したら、大変なことになるとアインシュタインは心配になりました。
そんな時、名前を憶えていませんが、ある人が、アメリカ大統領宛に「ドイツに先をこされないよう急ぎ原爆を開発する必要がある」と進言する手紙を持参し、それに署名するよう頼みました。そして迷った末、アインシュタインは署名したのでした。

 

ところが、第二次世界大戦もいよいよ終わりに近づいたころ、すでにイタリア、ドイツは降伏し、日本だけが戦っていました。この状況にアインシュタインは大変心配しました。横暴なドイツという国を止めるには原爆開発もやむを得ずと恐る恐る署名したのに、それがあろうことか、ドイツではなくアインシュタインが愛する日本に落とされるかもしれないと、心配でたまりませんでした。そして、それが現実となりました。

 

この時のアインシュタインの悲しみはどんなであったろうかと、アインシュタインの心を思わずにいられません。国家意識とは距離をおいていたアインシュタインも、目の前で同胞のユダヤ人たちが迫害されるのを見れば、否が応でも同朋意識が湧き上がり、ドイツを憎まずにはいられないでしょう。暴走するドイツを止めなければと神にも祈る気持ちだったでしょう。そして、迷った末に、原爆開発を進言するアメリカ大統領への手紙に署名したのでした。

 

しかし、自分の思いとは裏腹に、原爆はあの日本国民の上に落とされてしまいました。

 

ああ。この思うようにいかない悲しさ!

 

追い打ちをかけるように、ある日本人から、博士を批難する手紙が博士のもとに送られたそうです。それに対して博士は「人を批難するときは、相手のことをよく調べてから非難するものだ」と、その手紙の裏に、しかも鉛筆で書いて送り返したとのこと。

 

日本人と同じように悲しみ、やれきれない気持ちでいる時だったので、思わず感情のまま吐き出さずにはいられなかったのだろうと思います。

 

中途半端ですが長くなったのでここでやめます。
アインシュタイン博士のことを少しでも知っていただくきっかけとなれば、うれしいです。

 

そして、大なり小なり、思うようにいかない悲しみを経験し、それを乗り越えながら人間は成長いていくのかもしれま゛んね。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

コメント (2)
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