カジノキ:梶の木(クワ科コウゾ属)の実が生っているという話を聞き、京都城南宮へ見に行ってきました。
その木は本殿の真裏にありました。古代から神に捧げる神木として尊ばれ、葉が主として神事に用いる供え物の敷物に使われたそうですから、この扱いもうなずけます。
葉は大きく、毛深が一面に生え、深く3~5裂するものから、切れ込みのないものまで変化にとみます。
雌雄別株で、花期5~6月、果実は集合果で直径2~3cmの球形、7~8月に赤橙色に熟します。
集合果は雌花の花被と子房の柄が肥大し、液質になってそう果を包んだもので、これが多数集まったものです。食べると甘く、カラスが沢山やってきてついばんでいました。となりにある青い実は未熟かと思いましたが、図鑑には正常な雌花と不稔の雌花が混ざるとあったので不稔のものかもしれません。
カジノキの葉を七夕の願掛けに使う話は08年7月9日の記事で取り上げましたが、この木の樹皮を白く晒して麻のように割いたものを、古代から“ゆふ”(木綿)といい、和紙や衣服に用いました。漢名は楮、穀、栲で、梶の字は俗用だそうです。
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