1896年9月東大理科大学植物学教室の一介の画工平瀬作五郎氏が、イチョウの実の中にある精虫を発見し天下の学者をあっといわせました。
牧野富太郎博士によれば、許婚の押さない男女二人があって、早くもその男が後にお嫁さんになるべき運命を持ったその娘に引き取られて養われ、のちにこの両人が年頃となるに及んで初めて結婚するようなものとたとえています。イチョウは雌雄異株で、春、新葉の頃雄花から花粉が出て、雌木の枝の端の小さい雌花すなわち裸の卵子のごく小さい穴に飛び込みます。何ヶ月かのあいだに、精虫も、卵子もそれぞれ成長し、秋になって大きくなった実の頂に近い内部に液の溜まったところができて、その中へ娘の家で大きくなった精虫が出てきて、その液中を泳ぎ回り、自分の家で成年になった娘の雌精器に接触しめでたく結ばれます。
約2億年前の古生代から生きき続けてきた化石のようなイチョウ、どこにでもある木ですが、内部ではすごい営みをしているのです。
写真は小枝(しょうし)につく春芽です。普段気がつきません、がよく見れば若葉と雄花が織りなす造形美です。
牧野富太郎博士によれば、許婚の押さない男女二人があって、早くもその男が後にお嫁さんになるべき運命を持ったその娘に引き取られて養われ、のちにこの両人が年頃となるに及んで初めて結婚するようなものとたとえています。イチョウは雌雄異株で、春、新葉の頃雄花から花粉が出て、雌木の枝の端の小さい雌花すなわち裸の卵子のごく小さい穴に飛び込みます。何ヶ月かのあいだに、精虫も、卵子もそれぞれ成長し、秋になって大きくなった実の頂に近い内部に液の溜まったところができて、その中へ娘の家で大きくなった精虫が出てきて、その液中を泳ぎ回り、自分の家で成年になった娘の雌精器に接触しめでたく結ばれます。
約2億年前の古生代から生きき続けてきた化石のようなイチョウ、どこにでもある木ですが、内部ではすごい営みをしているのです。
写真は小枝(しょうし)につく春芽です。普段気がつきません、がよく見れば若葉と雄花が織りなす造形美です。