春雷

学園の連なる道抜け春の駅へ
乗り換えて座せば春雷大きこと
初桜雨の降りだす歩き会

夙川の傘さす川辺初ざくら
園庭の遊具塗り替え黄水仙
紫木蓮園児は寺門より帰る

２８日　歩き会
兵庫県西宮市の阪急夙川駅から甲陽線に乗り換えて苦楽園口駅下車（ひとつめの駅です）夙川沿いに夙川駅まで歩く。予定では一つ先の終点、甲陽園から出発するはずでしたが、雷から雨になり、変更する。桜は残念ながら、数本は咲き出したと云うところでした。月末には満開になるのかなと言いつつ、鴨、鶺鴒、鯉、亀などを流れで見つけたりと楽しんで歩いてきました。

おとめつばき

初蝶の平らになりし畑を揺らす
一角におしくらまんじゅう春の花
地蔵さま手つなぎ来る子春うらら

紫木蓮白を見せおり反り返り
おとめつばき恥じらう彩の濃かりけり
裏門の閉じし校庭チューリップ

三月

習字展春花盛らる華やかさ
春花も勢いもよし習字展
着物地の友は書の前春広間

初彼岸姉のコートを着て参る
さくら蕾む参道抜けて通天閣
三月の秒針の影花時計
雪柳柵より覗く美術館

友人ご夫婦が代表される習字展へ行く。指導され、教室をお持ちの方々の書ばかり、ひらがなだけがようやく読みとれるだけ。渡されたプログラムを見てフムフムとうなずく。久しぶりに会う高校の同級生。来月には初孫さんが誕生とのこと。おめでたいことです。
書道展を出て、天満橋から地下鉄の恵美須町で下車、一心寺さんへ。帰りは美術館前を通り天王寺まで歩く。この日は二人で出かけました。

沈丁花

出てますと問いに答えて土筆見せ
あそこまで決めて土筆を摘み始じむ
この先は太とっちょさんの有る土筆

菜の花も短く折りて土手おりる
淀堤飛び立つひばり風に浮く
辻の風抜け来る香り沈丁花

菜の花が点々と咲く土手となりました。土筆つみは自然の恵みをいただく、楽しい私の行事です。
場所により痩せた土や肥えた土があるのでしょう、小さい（細い）もの、それに比べて大きいものが出る範囲が分かるようになりました。

彼岸入り

灯明の静かに読経春座敷
彼岸入り今日の法事は略礼で
チューリップ供花に色あり和室の間

彼岸入り振り袖姿地下電車
春雨や雪混じりきて乗り換える
春小雨大淀越えてモノレール

三十五日の法要へ
モノレール、地下鉄、阪急と乗り換えて兵庫県の武庫之荘へお参りに。
３月句会の選を早めに済ませて二人で行く。

３月句会投句
パンジーを水に浮かせて玄関に
春灯連なる車両夜行便
月朧夜勤の夫待つロータリー

しゃぼん玉

しゃぼん玉窓より部屋に入りはじけ
一人吹く大玉小玉しゃぼん玉
書き残す画は置かれいて春窓辺

揚げひばり声高に子ら土手歩く
春の土手下り来る子らは二クラス
春の草踏みつつ歩く子ら元気

しゃぼん玉を子らが来たときのために置いていたら、早速見つけて窓から遊び出す。寒いからベランダでしなさいと親に言われても、黙々と一人で飛ばしていた男の子、何個かは部屋に逆戻りして壊れたね。女の子は持参のスタンプ遊びです。
　　　　　　　　　　　　

雪柳

乗り継いで百カ日参り春快晴
行商の篭らし車中の春の荷は
雪柳川辺でギターの弾き語り

途中下車城の桃園花盛り
春寒しなにわの川の水上バス
対岸のビルは水色城桃花

義姉の百カ日のお参りを終えて、大阪城公園駅で見た、桜らしき花を確かめに環状線で下車、正体は白木蓮でした、何本も咲いていました。さくらはまだまだです。
お城の方へ歩くと、桃の花と矢印が出ていた。桃園があり、数種類の花が咲いています。そして大方が花弁が大きい。桃色や赤花の中に囲まれた数本の白花がとても素敵です。梅林にも寄ってみましたが、もう終わりです。咲き残っていた梅のなんと小さな花か、先に桃の大きい花を見たので。やはり梅の花は可憐な花です。
(帰って調べてみると桃の木は２００本あるそうです、白い桃の花は、太閤さんにちなんで、関白となずけられています。）

フリージア

フリージアの花をグラスに階上へ
フリージア二色の明るさ朝の卓
春芝の旗揺らめいてプレイーヤー

杖ついて祖母の来ている卒業式
花一つ抱いて帰えりぬ卒業式
グループとなって集まる子ら卒業

淀川の堤防沿いから、高校の卒業式の生徒や親御さんが講堂から出てくるところを見ていた。おばあさんの姿を見たとき、素晴らしい家庭環境を見せて戴いたようで嬉しくなりました。
この高校も後二年程で廃校となり寂しくなります。体育祭やクラブ活動など堤防にいた学生達、そう遠くない日に、若者達の姿がみえなくなりそうです。

つくし

いぬふぐり空より濃ゆき色となり
寄せ植えの春花を選る色を選る
白木蓮独り占めするベランダに

細くとも数の内ですつくつくし
箸休めに腰を伸ばして土筆摘む
揚げひばり私はここよ土手傾斜

衝動買いをした白木蓮が、今年も咲きました。昨年より一回り小さくなっているように感じます。ベランダに置き外からは見てもらえない花です。その分独り占めして楽しんでおります。

白木蓮

外皮割れ色を出したり白木蓮
春の店新米パパの話聞く
密をだしシンビジュウムの芽膨らむ

封筒に描かる桜の招待状
サイコロを振ればもらえる紙の雛
押し車桃の花見ゆ紙袋

お店の感謝祭へ行くと、両の手に持ってサイコロを振るというか投げて出た数だけ商品がいただけるらしい。６がでた。万歳なのです。このようなことは滅多にありません。展示してある内から好きなものを選んでくださいとのこと。そのうちの一つに紙のお雛様を戴きました。このお店の長男さんにお子さんが誕生、こちらまで嬉しくなりました。