春の雪

乳母車初めて見たの春の雪
張りついて張りついては消え春の雪
春の雪指のいたずらボンネット

見慣れたるクレーンは解体寒き春
ひとすくい柄杓に入る薄氷
校門は城の櫓よ桜の芽　　茨木市の小学校

２月２５日愛車にいたずら、この日の雪は直ぐにとけてしまいました。

お雛さま

お雛さま露店にありて買われゆく
幼き日雛壇高くお客の間
うららなる境内池の亀の背な

賑わいにかえりみられず沈丁花
桜芽木寺の線香身にうけて
春花の並ぶ露店は寺の門

天王寺の一心寺と四天王寺へお参りにいく。四天王寺は大師会の日、露店も出ておおいに賑わっていた。実家で飾っていた同じような大きな男雛女びなが買われていった。お顔は大事に布に覆われて。ふっと幼いときが頭によぎった。　

花菜

沼えびは元気春日にスーツと浮き
黄の色の一つつきたる花菜束
花菜束ほぐして水へ放したる

初物の菜の花和えはおてしょうに
ふくろうの木彫りの耳かき春土産

写真２月９日、ご近所牛乳屋さんのお孫さん作、足つき雪だるま。口の人参は庭からひいてきた物とか。

椿

丸大根ひしめきあいて畝の列
金屏風古木の威風鉢の梅
椿咲く完成間近の庭に咲く

辻辻に祠のありて春の路地
由緒ある寺です雨です梅の庭
よもぎ入りかまぼこ一切れ試食する

写真　大阪城の盆梅

春の雪

春霙電動鋸の音混じる
派手に音たてて落ちるよ春の雪
早春や瓦の形に雪落ちる

春の雪睡蓮鉢は雪ばかり
遊具にはタイヤも一つ春遊び
上人像足元に香を水仙花

2月９日、朝１０時より夕方まで降り続いた雪、瞬く間に銀世界になる。そして雨となり、屋根の雪が夜には、ばさばさと塊で落ちる。今日はお昼頃までには屋根の雪は大方無くなるが、路肩にはまだ夕方まで残っていました。
軒下のプランターの球根やめだかの睡蓮鉢が心配。めだかの鉢は落ち雪で、水草は外に飛ばされていて中は雪に埋もれている。無事でいるのでしょうか。

写真は２月８日、ご近所の松にめじろです。

節分

節分や甥の結婚の祝膳
連凧か栴檀の木にとまり揺れ
今朝もまた同じ鳥きて春立つ日

冬灯

■オンライン２月句会投句■２月３日

暮れてゆく生駒の山の冬灯
つんつんと青枝伸ばし梅蕾む
天守閣雪と風とを金の鯱

【高橋正子先生特選】
　　　　　　★暮れてゆく生駒の山の冬灯/祝　恵子
　　　のびやかな抒情がある。取り立てて言う奇抜さや
　　　　　　　　派手さはないが、暮れてゆく生駒山への親しみ、
　　　　　　　　そこに灯る灯への懐かしさが、やさしく伝わってくる。
　　　　　　　　　（高橋正子）

【特別選者/藤田裕子さん特選】
　　　　　　★つんつんと青枝伸ばし梅蕾む/祝　恵子
　 寒さの残る中、梅の木が勢いよく枝を伸ばし、
　　　　　　　　蕾を多くつけています。その力強さに感動します。
　　　　　　　　開花が楽しみです。（藤田裕子）