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市場の一里塚を見てその先で、鶴見川を渡り、懐かしい町に入ってきた。
40代前半の頃、単身赴任で3年余を過ごした町・鶴見である。
当時住んでいたJR駅西口近くのマンションは?西友だったか京急だったか、よく
夕食を調達したストアはまだ残っているのだろうか。
時々立ち寄った居酒屋は、食堂は、あの和菓子屋は・・・。
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寄り道をしたいところではあるが、残念ながらルートからは外れている。
しかし和菓子屋だけは少し足を延ばせば行けそうで、休憩がてら寄ってみる。
京急の駅前近くに店を構える創業90年の「お菓子司・清月」で、よく帰省の折、お土
産を買い求めた店である。
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ここの名物は「よねまんじゅう」である。
民謡『お江戸日本橋』の2番の歌詞で、「鶴と亀とのよねまんじゅう」とうたわれてい
るほど知られていて、江戸初期には浅草門前の名物お菓子であったそうだ。
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江戸中期にはここ鶴見でも、軒を並べて何軒もの店で売られるようになった。
これが人気を博し「初旅のまず鶴見から喰いはじめ」と言われるなど、東海道での
名物第一号とされ、現在は神奈川県の名産百選にも選ばれているそうだ。
ごく薄い口溶けの良い羽二重餅で餡を包み、小さな俵型に丸め片栗粉を塗した
和菓子で、一口二口で簡単に頂くことが出来る。
甘すぎず風味の良い、白あん、こしあん、うめあんの三種類が揃っている。(続)
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