駅前を出たバスは、国道101号を離れ、濁川に沿って白神山系の懐へと
入り込む。5分ほど進むと右手に、日本キャニオンが見えてくる。
山肌の浸食崩壊によって、白い凝灰岩がむき出しに成った一際目を引く
大断崖で、アメリカのグランドキャニオンに因んで名付けられたと言う。
車窓からは、樹間を通して八景の池、王池などが見える。
越口の池近くには、幻の魚イトウの養漁場もある。
そんな湖沼群を見ながら、終点の奥十二湖、「森の物産館・キョロロ」前には、
15分ほどで到着する。
施設前から、標識に従い砂利道を進むと左手に鶏頭場の池が現れる。
鬱蒼と茂るブナやミズナラなどの自然林に囲まれた池は、薄いうぐいす色の
水を湛え、静かに佇んでいる。
そこからさらに5分ほど歩くと青池に到着する。
面積975平方メートル、周長125メートル、深さ9メートルの青池は、十二湖の
中に有っては小さな池である。
あっと息をのむような美しさである。
静かな湖面に、まさに青インクを垂らしたようなコバルトブルーが美しい。
池は、自然林から差し込む木洩れ日の当たり様でその色が変わるのか、
場所を違えて眺めると濃いエメラルドグリーンにも見える。
吸い込まれそうなくらい水が清んでいて、光が池底まで透けているのが解る。
白神山地の伏流水がこんこんと湧き出ているらしいが、それがなぜこの色に
成るのか、そのメカニズムは良く解ってはいないそうだ。
神秘の池のその謎は、科学的に解析されないほうが良い。
神秘的であればこそ、池は見る者を幻想の世界に誘ってくれるから。(続)
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