簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
見たまま、聞いたまま、
食べたまま、書いてます。

物見峠・過疎の駅(JR乗り潰し・因美線)

2016-06-13 | Weblog


 県下最大規模を誇る難攻不落の中世山城、矢筈城跡の有る矢筈山を右手に見
ながら、因美線の列車は美作河井駅を出発する。その先で物見川に沿って25パー
ミルの勾配を登り、やがて3077mの物見トンネルに向かう。
これは因美線では最長のトンネルで、その中でも20パーミルと言う勾配を登りなが
ら抜けていく。



 ここは岡山県の北部に聳え立つ那岐山(標高1255m)を貫く、美作の国と因幡の
国の国境である。周辺は杉やヒノキの植林が美しいところで、車窓からも源流に近
い川の流れと共に、そんな美林を望むことが出来る。



 県境の地は雪深いところだ。
鉄道と並行する県道6号線は昔から有った獣道が明治の初めころ開削され、その
後拡幅改修が重ねられ全線舗装されたとは言え、厳しい勾配と九十九折の続く道
で、途中にトンネルを抜けることもなく630mの物見峠を越えて鳥取県に向かう。
そのためこの道路は積雪期には通行止めになることも多いと言う。
そんな峠には高さ2mほどの「県界標」と書かれた石柱が立てられている。



 道路に比べると鉄道は、トンネルで峠を越えるおかげで、雪による不通と言うこと
はまず考えられない。それはラッセル車等の活躍の賜物で、これを支えたのが美作
河井駅に残されている転車台と言うことになる。



 そんな難所の苦労を偲びながらトンネルを抜けるとそこはもう因幡の国・鳥取県
で、最初の駅が那岐駅だ。
そこは山裾の傾斜地に造られた、鉄道開業当時の姿を留める懐かしい雰囲気の
駅である。人気のない広場の先にポッンと建つ駅舎は、下見板張りの木造構造で、
屋根に葺かれた赤い瓦が一際目立って存在感を示しているがこの駅は完全な無人
駅である。(続)





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