簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
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食べたまま、書いてます。

四国遍路 勤行と食事の作法

2010-05-12 | Weblog
洗濯を済ませ、乾燥させていると食事の時間を告げる放送が流れる。
まだ乾燥が済んでいないので、済ませてからと思っていたら、お坊さんが呼びに来た。
「皆さんがお待ちなので・・・」
どうやら、食前に作法の説明とお祈りがあるらしい。
急いで食堂に向うと、10人ほどの泊り客は全員神妙な面持ちでテーブルに付いている。

お坊さんから今晩と明朝のお勤めの説明があり読経がある。
その後全員で“一粒の米にも 万人の労苦を思い 一滴の水にも 天地の恩徳を感謝し 
ありがたく頂きます” と食前の言葉を述べ食事となる。



なんだか今までの食事風景とは違い、皆寡黙になって、ただ食事を進めるだけ、そんな
厳粛な雰囲気が支配しているのか話が出にくい。
ビールが欲しかったが、とても飲める雰囲気ではない。

そして、食事が終わると今度は食後のことばを各々が述べる。
“今すでに有難き 食を受け 力、身に満つ 願わくば身を養い 心を修め報恩の道に 
いそしみます ご馳走様でした 南無大師遍照金剛”これでご馳走様となる。

7時から夜のお勤めが始まった。
四国霊場のご本尊の並ぶ全長88メートルにも及ぶ不動洞窟を、お砂ふみしながら護摩堂
の内陣に向う。



その薄暗い神秘さが、雰囲気を醸しだしている。
お香で手を清め、中央の祭壇を囲むように設けられた席に着きしばらくすると、僧侶に
よる護摩供養が始まった。
蝋燭のほのかな明かりに浮かび上がる憤怒の形相をした不動明王の前に、重いが良く通る
僧侶の読経が響き、鐘・太鼓の鳴り物が彩りを添える。
護摩木が焚かれ、大きく炎が立ち上がると祈願文が読み上げられクライマックスを迎える。



食事の作法も護摩供養も初めての体験であった。
いくら信仰心の薄い私でも、宗派が違っていても、さすがにこの厳粛な勤行を目の当たり
にすると、それはそれで不思議な感動を覚えるのである。(続)

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