2016年3月北海道新幹線の開業に合わせ、JR各社はダイヤ改正を行った。
岡山支社でもそれを行うと同時に、この日を待って岡山駅の東口は天下の名
園へのアクセス口で有ることから「後楽園口」とし、西口は地元で活躍する
サッカーやバレボールのホームグラウンドとなる競技場がここにある事から
「運動公園口」とした。
また管轄する各路線には、山陽本線がオレンジ、伯備線はグリーン、吉備
線はピンクなどのシンボルカラーを定め、視覚的にも解りやすくした。
これにより瀬戸大橋線は海をイメージしたのか鮮やかなブルーとなったが、
今や完全なローカル線と成り下がった宇野線は薄い水色で、シンボルカラー
までもが霞み、瀬戸大橋線の後塵を拝する事になった。
さらに管内を走る吉備線には、古代吉備の国のももたろう伝説にあやかっ
て「ももたろう線」という愛称を導入した。
岡山はももたろう伝説を売りにする土地柄だけに日の目を見た格好である。
一方でここ宇野線にも、かつて宇高連絡線が栄えた時期があったこと、瀬戸
内に浮かぶ島々への玄関口が宇野港であることから「宇野みなと線」との愛
称がつけられた。
新しい愛称で同線にかつての輝きを取り戻す・・・、そんな期待も俄かに
高まっての事だ。
しかもそれは、宇野港へ向かう路線であることを分りやすく伝え、利用客増
に繋げようとする試みではあろうが、現在の駅は港からはかなり後退し、昔
のように桟橋で結ばれ、陸と海を結ぶ玄関口のイメージはもはや薄らいでい
るだけに、なんだか思惑が空しく響いている。(続)
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