簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
見たまま、聞いたまま、
食べたまま、書いてます。

身銭を切って

2022-12-19 | Weblog


 公共交通の運賃無料デーが岡山市で行なわれ、一回目について「需要
喚起に一定の効果があった」との市交通政策課の検証が新聞記事として
掲載された。

 確かに当日は市内各所も賑わい、市中心部の百貨店の来店者が対前年
比で、約3割アップとの報告もあった。人の移動により、周辺施設への
波及効果はあったようだ。新聞・テレビでも、普段は見られない行列が、
各乗り場で見られ、車内も混み合ったと報道もしていた。



 「何時もは自家用車だが、無料なので利用してみようと思った」との
70代主婦のコメントが翌日の新聞に出ていた。 
 当夜のテレビニュースでも、小さなお子さんを連れた若いお母さんが、
「有り難いです。無料だから乗りに来ました」と、何の臆面も無く堂々
とテレビカメラに向けて話す映像が流れていた。



 しかしこれらのニュースを見て考えてみると、何れも共通項は「無料
だから乗りに来た」のである。
裏を返し、意地悪に言えば「お金を出してまでは乗りません」と言って
いるのに等しく、そんな風に聞こえてしまう。



 確かに「需要喚起」では、効果有りかも知れない。
問題はその後で、普段使わなかった人が、その後どれだけ増えたのか。
バスや電車の利用者は増加傾向に転じていくのか?

 需要喚起はその後も複数回行なわれたが、気休め的な一時的な手助け
で、公金投入が無駄に成らなければ良いがと思う。



 生活の足として公共交通機関を必要とする人はまだまだ多く、幾ら車
社会と言っても全ての市民が「鉄道もバス」も不要と成るはずもない。

 「無料だから乗る」のではなく、これを機に必要とする人達の為にも、
我が町の為にも、月に一度でも、時には意識的に車を置いて、身銭を切る
機会も増やしたいもので有る。それだけで大きな支えとなるはずだ。



 公共交通機関は矢張り、市民皆の力で守り、見守っていかなければ、
何れは何もかも廃れてしまう。(続)
(写真:JR指宿枕崎線 本文とは無関係)

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