静かな佇まいを見せる宇津ノ谷の集落を抜ける道は、やがて急な階
段道に変わる。
両側がスロープで中央に階段が刻まれ片側には手摺も設けられている。
道沿いの民家は苔むした石垣の上に築かれていて、その石垣の三角形
が坂の勾配を教えてくれる。
石段を登り切ると道は、いよいよ峠に向けその勾配がきつくなる。
ここらあたりの標高は丁度100mほどだ。
宇津ノ谷集落の入口が72m程であったので、集落を抜ける間に30m近
く登ったことになる。ここからが本番で、東海道の中では、箱根や鈴
鹿に次ぐ難所と言われる宇都ノ谷峠越道の始まりだ。
かなりの勾配で登るヘアピンカーブを過ぎる
と、きれいなレンガタイルの道は尽き、草の生える地道に一変する。
ここで左に折れれば、明治に掘られたトンネル(登録有形文化財)
道に向かうが、旧東海道は右に進む。
「国指定史跡 東海道宇津ノ谷峠超え」の大きな立て看板を見る先は、
濃い緑の中に黒い口をぽっかり開けた旧道の登り口である。
ここから先は、最初は緩やかな階段道で少しずつ高度を稼いで行く。
現在の大動脈国道1号線は、どの辺りを貫いているのか定かには解
らないが、トンネルで抜けているせいか、車の行き交う音は全く聞こ
えてこない。
深い森の中に入り込む街道は、静寂そのもので、時折聞こえる鳥の
囀り以外聞こえるのは自分の足音だけである。
やがて階段道も尽きるとでこぼこ道となり、所々に往時のものなのか
人工的ではと思われる石の埋まった道となる。
そんな登り道を10分ほど歩くと木立の隙間から先ほど通り抜けてき
た間の宿・宇津ノ谷の家並みが箱庭のように見えてくるが、その眺め
は今も昔も変らないと言う。
やっとの思いで峠を下ってきた旅人は、ようやく見えた町並にホッ
と一息着いたことであろう。
そして皆一様に、名物の十団子で早く身体を休めたいものだと思った
に違いない。そんな姿が目に浮かぶようだ。(続)
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両側がスロープで中央に階段が刻まれ片側には手摺も設けられている。
道沿いの民家は苔むした石垣の上に築かれていて、その石垣の三角形
が坂の勾配を教えてくれる。
石段を登り切ると道は、いよいよ峠に向けその勾配がきつくなる。
ここらあたりの標高は丁度100mほどだ。
宇津ノ谷集落の入口が72m程であったので、集落を抜ける間に30m近
く登ったことになる。ここからが本番で、東海道の中では、箱根や鈴
鹿に次ぐ難所と言われる宇都ノ谷峠越道の始まりだ。
かなりの勾配で登るヘアピンカーブを過ぎる
と、きれいなレンガタイルの道は尽き、草の生える地道に一変する。
ここで左に折れれば、明治に掘られたトンネル(登録有形文化財)
道に向かうが、旧東海道は右に進む。
「国指定史跡 東海道宇津ノ谷峠超え」の大きな立て看板を見る先は、
濃い緑の中に黒い口をぽっかり開けた旧道の登り口である。
ここから先は、最初は緩やかな階段道で少しずつ高度を稼いで行く。
現在の大動脈国道1号線は、どの辺りを貫いているのか定かには解
らないが、トンネルで抜けているせいか、車の行き交う音は全く聞こ
えてこない。
深い森の中に入り込む街道は、静寂そのもので、時折聞こえる鳥の
囀り以外聞こえるのは自分の足音だけである。
やがて階段道も尽きるとでこぼこ道となり、所々に往時のものなのか
人工的ではと思われる石の埋まった道となる。
そんな登り道を10分ほど歩くと木立の隙間から先ほど通り抜けてき
た間の宿・宇津ノ谷の家並みが箱庭のように見えてくるが、その眺め
は今も昔も変らないと言う。
やっとの思いで峠を下ってきた旅人は、ようやく見えた町並にホッ
と一息着いたことであろう。
そして皆一様に、名物の十団子で早く身体を休めたいものだと思った
に違いない。そんな姿が目に浮かぶようだ。(続)
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