簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
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有松絞り (東海道歩き旅・尾張の国)

2022-06-17 | Weblog
 間の宿・有町は、400年近い伝統の「有松絞り」で知られる町だ。
絞りとは木綿を糸で括って、多くは藍で染め、その括り方により様々な
模様を描く技法である。



 全国一の「絞り染め」の産地とされ、昭和50(1975)年には、国の
伝統的工芸品に指定されている。また令和元年には、「江戸時代の情
緒に触れる絞りの産地~藍染が風に揺れる町 有松~」として、文化
庁より「日本遺産」に認定されている。



 東海道の通り道とは言え、元々この辺りは人家も乏しく耕地の少ない
地で、尾張藩は治安の維持も有り、諸役を免除する条件でこの地への移
住を奨励し、産業の開発を進めたと言う。

 しかし移り住んだものの、開発の乏しい地では、農業だけでは生きて
は行けず、副業として工夫されたのが、この絞り染めであった。
ヒントは、名古屋城築城の折、手伝い普請の豊後の人たちの着衣を見て、
と伝えられている。



 藩は保護のため他所での製造を禁じ、問屋の戸数を限定し、営業の独
占権を与える等の庇護をした。こうして伝統の技術で作られる商品は大
層な人気を呼び、町は栄え、商人は財をなし「田舎に京の有松」と謳わ
れるほどの繁栄を見ることになる。



 絞りの歴史や技術等は、町並の中にある「有松鳴海絞り会館」で知る
ことが出来る。実物の展示やビデオの上映が有り、二人の職人の「くく
り絞り」の実演などが行われ、わかりやすく解説している。
体験教室開催や、伝統の逸品から各種雑貨まで展示即売も行われている。



 また当地では毎年6月第一土・日曜日に、「有松絞り祭」が開催される。
有松の旧東海道一円を会場として、コロナ禍で中止が続いていたが、今年
は2年振りに開催されたようだ。38回目という。(続)



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