JR西日本の大糸線の営業係数は、非公式な試算ではあるが(同社は
公表していない)850円余らしい。
これは100円の運賃を稼ぐのに経費が850円も掛かると言う事で、一般
に係数が100を越えると赤字となるので、この路線は大赤字である。
とある資料によれば、南小谷以北の各駅一日平均乗車人員は、以下の
ようになっている。
中土駅は1名、次の北小谷駅が3名、平岩駅が3名、小滝駅2名、根知
駅3名と軒並み一桁台の前半だ。
比較する年度が多少違うが、同年比でもほぼ同レベルであろう。
ここ頸城大野駅でようやく13名を数えるが、決して多い数字ではない。
現在大糸線の南小谷と糸魚川の間は、一日7往復ほど運行されている。
この乗車人員では、殆ど利用が無いと言って良い程の数字である。
あるものの本によれば、小滝駅では、昭和50年代には、80人以上いた
と言われているが、その衰退振りは惨憺たるものだ。
今日これらの駅は全て無人駅で、かなり経費も切り詰めているように
見受けられるが、それでも営業成績が大赤字になる原因は、乗車人員の
少なさに加え、冬期の除雪費用や、地勢的に災害が多く、復旧費用など
が嵩むからであろうか。
大雪や豪雨、地震などの災害を受け復旧工事が行われる度に、バス代
行とか、廃線の噂が度々流れるが、根底にあるのは矢張り営業成績の悪
さである。過疎化の影響も有り、詰まるところは乗る人もいないと言う
ことだ。
根知駅を出る辺りで山は次第に遠退いて行った。
平野が広がり、辺りにも明るさが戻ったようで、心なし人家も増え賑わ
いも見受けられる。
頸城大野のホームにはまだかなりの雪が積もっていたが、目の前を通
る国道は綺麗に除雪され雪の影響は殆ど感じられない。
市街地が随分と近くなってきた。(続)
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