長尾の町からひたすら県道3号線を緩く上りながら歩くこと1時間余り、山が迫った
前方の狭間に、巨大なコンクリート製のダムが見えてきた。鴨部川を堰き止めた前
山ダムだ。そのダム湖を回った先に「前山おへんろ交流サロン」はある。
ここは、NPO法人「遍路とおもてなしナットワーク」が運営する、文字通り遍路と
そのおもてなし文化に貢献している人々の集うサロンである。
ここに立ち寄り、歩き遍路・自転車遍路で結願した人(88番の手前にあるので、
正確には結願予定の人と言う事になるのだが)は、申告すれば「遍路大使任命書」・
「自転車遍路大使任命書」を授与してくれる。そして記念のピンバッヂも頂ける。
「ここに名前と住所を書いてください」と、差し出されたノートを見ると今日最初の
訪問者のようだ。「女性が立ち寄りませんでしたか?」と聞くと「誰も・・・」との返事。
この日同宿の女性は、女体山を目指すと行って、天気を気にしながら我々より30
分も早く宿を発っていった。ここには立ち寄らず、ダムの堰堤道を辿ったらしい。
すべての歩き遍路・自転車遍路がこの「前山おへんろ交流サロン」に立ち寄って
「大使任命書」の授与を受けるわけでは無い。
女体山を目指す場合、ここの手前のダム堰堤道を辿る遍路もいるし、旧遍路道を
歩く人はサロンの手前で右に折れて行くし、前を通っても立ち寄らない遍路もいるだ
ろう。従って、すべての歩き・自転車遍路の数が把握されているわけでは無いが、
ここに立ち寄る遍路はそれでも毎年3000前後の人数を数え、その男女比率は凡そ
3対1だそうだ。(続)
菩提の道場(四国遍路・伊予の国)フォトチャンネル アップしました
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