簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
見たまま、聞いたまま、
食べたまま、書いてます。

四国遍路 遥かなる室戸

2010-05-26 | Weblog
高知県東部には強風注意報が発令されていた。
切り通しの小さな峠道に差し掛かると、海から物凄い風が吹きつけ、行く手を阻む。
砂を巻き込んで吹き付ける風に立ち往生する事もしばしば。
この頃足の痛みは両足に及び、充分な踏ん張りも利かないから尚更具合が悪い。
ここ何キロかは、足の痛みとの格闘が続いている。
心配した負の連鎖が始まってしまった。



気温は暑くも無く、寒くも無く丁度良い。余り汗をかくことも無い。
空も海も何処までも青く、海岸線の景色は申し分ない。
足の裏さえ痛くなければ・・・。
車なら楽しみな絶景だが、周りを愛でる余裕は無い。
歩けども、歩けども遠くに見える岬の景色は殆ど変わらない。
こんな中、固いアスファルトの上をただ黙々と足を前に出す動作を繰り返す。
歩いているというより、意識的に、機械的に、そうして強制的に足を運んでいるだけのよ
うな感覚だ。



時計の針は16時20分を指していた。
鯖大師から35キロ、歩き始めて9時間を過ぎた頃、小さな集落佐喜浜にある佛海庵に着いた。
昔の遍路は、波が打ち寄せ、石ころがゴロゴロと転がる海岸を歩き続けてきた。
そんな遍路の難渋を救うために築かれたのがこの庵だと言う。
ここで今晩の宿に連絡の電話を入れる。



「まだ6~7キロはありますから・・・」
宿の女将に言われ、「もう少し」と元気が出ると思いきや、まだそんなに有るのかと、
かえって落胆の方が大きくなってしまった。
足のダメージは結構大きく、これからは1時間4キロのペースは維持出来ず、休憩も多く
なるだろうから、2時間は優にかかる計算だ。(続)


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コメント
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