簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
見たまま、聞いたまま、
食べたまま、書いてます。

四国遍路 鯖大師縁起

2010-05-17 | Weblog
6時から本堂で朝のお勤めが有ると言うので行ってみる。
暖房が入っているとは言え、やはり本堂の空気はひんやりと冷たく気が引き締まる。
般若心経とその和訳を全員で読経、そのあとご住職の説教を聴く。
鯖大師縁起の行だ。



『この地で修行中の大師が、通りかかった馬子に「積荷の干塩鯖」を所望した。
馬子は「大事な商売ものだ、坊主にやる鯖は無い」と断った。
馬子が次の峠に向うと馬が俄かに倒れ動かなくなった。
先ほどの坊さんに、鯖をやらなかった事が気にかかった馬子は、引き返し、鯖を差し出し
謝った。



大師は「塩鯖が欲しかったのではなく、大切なのは布施の心なのだ」と教え、峠に向って
暫く合掌し「馬はもう元気になっている」と言った。
そして貰った干鯖を海に放つと鯖は生き返って勢い良く沖に向って泳ぎ去ったと言う。
それを見た馬子は、この霊験に発心してこの地に草庵を結んで出家した。
以来この地を鯖大師と呼ぶようになった』と言う。

しかし、最近では「さすがに干した鯖が生き返る筈は無い・・」と言う事で「泳いで行く
かの如く見えた」と言い改め、ご住職もこう話しをしてくれた。



7時過ぎに宿を辞し、室戸へ向けて長い道のりを踏み出す。



今日の泊まりは尾崎にある旅館で、そこまでの行程は42キロ余り先となる。
かつて一日にこれだけの距離を歩いたことは無く一抹の不安が無いでもない。
昨日の疲れは、表向きは残っていない。



足も多少痛みはあるものの今のところ問題は無い。
今日は立ち寄る札所も無く、唯ひたすらに歩き続けるだけだ。(続)


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