いろはに踊る

 シルバー社交ダンス風景・娘のエッセイ・心に留めた言葉を中心にキーボード上で気の向くままに踊ってみたい。

挨拶がわりの…(第13編)

2005年07月08日 08時18分13秒 | 娘のエッセイ
 先日のこと。私は家の近くのスーパーマーケットで、幼なじみのYちゃんに
似た女性を見かけた(Yちゃんは二人の子供の母親である)。

 さて、件の女性、Yちゃんに似てはいるものの、どう見ても四十代から五十代
にも見える風貌。私が声を掛けるか、掛けまいかと迷っていると、彼女の方か
ら声を掛けてきた。やっぱりそうだった。開口一番の彼女の言葉は「もう、すっ
かり中年オバサンになっちやった」。

 確かに、ぶくぶく(ピチピチではない)太った身体に、びろ~んとしたTシャツ。
ボトムはこれまたタブタブのモンペのようなウエスト部ゴム入りズボン。そのフ
ァションセンスは、まさに中年のお洒落じゃないオバサンそのもの。だけどね、
Yちゃんは、私よりたったひとつ年上なだけなのだ。思わず私は「自分から
『もう、すっかりオバサン』だなんて言い訳するくらいなら、もう少し努力したら
ら?」と言いそうになってしまった。

 どうして世の女性達の多くは、「年だから」とか「おばさんだから」という言葉
を言い訳に使うのだろうか。そしてそれよりも、何故世間の人々は初対面の
人に、挨拶がわりに年令を聞きたがるのだろうか。年令を教えた途端、自分
が相手の中の数少ないサンプルの中に分類されてしまうのかと思うと、正直
ウンザリする。

 そう思っていた矢先、私自身も無意識に相手に年令を聞いていることが多
いのに、ふと気がついた。なんだ、私もやっぱり日本の年令信仰に侵されて
いたのか…。年令は、その人の一部だし、女性に年令を聞くのは失礼なこと
だなんて、私は思っていない。

 でも「はじめまして。あなた、お幾つ?」
なんて挨拶は格好が悪い。また、それにモジモジしながら「もう、トシなのよ」
なんて答えるのも格好悪い。

 ああ、もっと爽やかな風のような、気持ちのいい挨拶がわりの台詞を使い
たいのに……。
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