「ムムッ、なんだ? これはー」
ある日、ふと鏡の中に発見してしまった……。それは、私の愛くるしい? 瞳の
下にいつの間にか巣食っていた、小憎らしいクマだったのである。
こりゃ、大変!とばかりに、私は即刻ここ数カ月の雑誌をひっくり返し、化粧品
特集のページを読み漁った。そして、翌日すぐにデパートへ。目星をつけておい
たフランスC社のカウンターへと直行した。そこで私は、やたらと化粧の濃い
オネエサマのアドバイスを受け、昼用のアイジェルと夜用のアイクリームを買
い、「これで、クマともオサラバダ!」とウキウキして帰宅したのである。
アドバイスに忠実な私は、翌日からさっそく昼はジエルを持ち歩き、洗面所へ
行く度にジエルを手に取り、薬指でトントンと下瞼につける、ということを行った。
もちろん、夜のケアも怠りはない。
でも、私のクマは一向に消えてはくれなかった。「ああ、やっぱりこの職業が
いけないのかもしれない」。私は、目の前のCADを睨みつける。そう、あんただ
って疲れちゃうわよね。1日8時間、週48時間もこんなディスプレイと、細かい図
面を正確に見ないといけないんだものね。私は、制服のポケットから二種類の
目薬を取り出し、乾き切った瞳にそっと液体を垂らした。
あれから、もう1年以上が過ぎた。転職し、CADから解放された私だったが、
なんの因果か、今度の仕事もコンピュターとお友達、なのだ。ゆえに、私の下
のクマは今もしっかりと健在? である。でも今度は仕事のせいではなく、もし
かしたら、年齢のせいかもしれない……そんな不安がよぎる。
果たして、今日も私は「リッチな化粧品が欲しいっ」と思いつつ、30ml六千円
のハーブ入り美容液を下瞼にせっせとたたきこむのに余念がない。
あーあ、おつかれさんな話。
ある日、ふと鏡の中に発見してしまった……。それは、私の愛くるしい? 瞳の
下にいつの間にか巣食っていた、小憎らしいクマだったのである。
こりゃ、大変!とばかりに、私は即刻ここ数カ月の雑誌をひっくり返し、化粧品
特集のページを読み漁った。そして、翌日すぐにデパートへ。目星をつけておい
たフランスC社のカウンターへと直行した。そこで私は、やたらと化粧の濃い
オネエサマのアドバイスを受け、昼用のアイジェルと夜用のアイクリームを買
い、「これで、クマともオサラバダ!」とウキウキして帰宅したのである。
アドバイスに忠実な私は、翌日からさっそく昼はジエルを持ち歩き、洗面所へ
行く度にジエルを手に取り、薬指でトントンと下瞼につける、ということを行った。
もちろん、夜のケアも怠りはない。
でも、私のクマは一向に消えてはくれなかった。「ああ、やっぱりこの職業が
いけないのかもしれない」。私は、目の前のCADを睨みつける。そう、あんただ
って疲れちゃうわよね。1日8時間、週48時間もこんなディスプレイと、細かい図
面を正確に見ないといけないんだものね。私は、制服のポケットから二種類の
目薬を取り出し、乾き切った瞳にそっと液体を垂らした。
あれから、もう1年以上が過ぎた。転職し、CADから解放された私だったが、
なんの因果か、今度の仕事もコンピュターとお友達、なのだ。ゆえに、私の下
のクマは今もしっかりと健在? である。でも今度は仕事のせいではなく、もし
かしたら、年齢のせいかもしれない……そんな不安がよぎる。
果たして、今日も私は「リッチな化粧品が欲しいっ」と思いつつ、30ml六千円
のハーブ入り美容液を下瞼にせっせとたたきこむのに余念がない。
あーあ、おつかれさんな話。
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