いろはに踊る

 シルバー社交ダンス風景・娘のエッセイ・心に留めた言葉を中心にキーボード上で気の向くままに踊ってみたい。

吾々の神聖さがあります

2014年01月09日 09時54分15秒 | やすくに 靖国
 海軍少佐・矢野徹郎命・昭和19年12月7日・比島方面にて戦死・愛媛県越智郡津倉村出身 25歳

お便り有難う。お元気何よりです。愚生相変わらずにて大空を翔けて居ます。
早いものです。1年余の歳月が流れました。
大祭も近づく頃!肌寒い風の吹く頃は、常に駅伝のことを思います。
日一日と風がつめたくなるに従って、練習も苦しくなって行った。
山田は実に懐かしい土地です。一木一草、思い出ないものはありません。
宮川、御幸みち、塚山の下宿生活、山寮の思出、古市時代、親しき友。
友の姿を偲びつつ、弛みがちなる心を引締めてゆく。大空を翔ける心、既に何人かの屍を乗り越えて来た。
日々訓練は生命がけであります。訓練が生命がけであるだけに、戦友との結びは兄弟以上のものがあります。学生時代の様な子供の遊びの域を脱し、最早大人の時代へ遷らせます。
吾々の生活…飛行機に乗ったとき、全てを忘れることです。ここに他と異なる吾々の神聖さがあります。
今日は雨で飛行場のエンドがかすんでみえる。はるかに石の鳥居が寂として立っている。
昨日迄立ってゐた幟もとりはらわれた。秋祭りも終わった。

  秋祭り 幟はためき 虚空高し

秋の空!なんと大きな心。大空に向かって深い呼吸をしてごらん。
身も心も清々しく、己の心も大空の様な偉大さをわきたたせる。
急上昇するとき、淡雲がぐぐっと顔前にせまる。
操縦稈を右にとる。大きな円を画いて吾が飛行機はもとの姿勢にかへる。
なんとすばらしい生活ではありませんか。

  醜の御盾(しこのみたて)

吾も亦 この鎮宮に 祀れん日もあらんかと 宮造りしみじみ拝す 五尺の身 ありとあらゆる 力もて 尽くしまつらん 醜の御盾は
   

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