いろはに踊る

 シルバー社交ダンス風景・娘のエッセイ・心に留めた言葉を中心にキーボード上で気の向くままに踊ってみたい。

紅葉…その後 78編

2005年09月29日 08時19分01秒 | 娘のエッセイ
 テレビの三分間くらいの番組に『京都がすき』というのがある。最近は、くれ
ない色に染まった紅葉と京都の風景を見せてくれる。石庭と紅葉。静かに流
れる水と水面を流れる紅葉。

絶妙のコンビネーションに言葉を飲み、ただ黙って見入る私。ああ、なんて上
手い演出。『京都がすき』というよりも『京都に行きたい』という気持ちにさせ
るこの番組、提供はJRだったはず……

 紅葉は、”秋が来たよ”という自然界からの美しいメッセージだ。それを一番
身近で受け止めたい、という気持ちは誰でも同じだろう。けれどそういう人間
達の行動を、自然は本当に喜んでいるだろうか?

 紅葉で有名な日光や箱根。それらは例年どおり、大勢の人で賑わったよう
だ。数多くの乗用車といっしょに。

 ”紅葉が見頃”とニュースで放送された途端、下り方面の高速道路の渋滞
は何十キロにも及び、帰り道も赤いテールランプが数珠つなぎになり、時な
らぬ夜景を演出してしまう。

彼らは一体どれほどの排気ガスとそしてゴミを紅葉した山々のなかに残して
きたのだろうか。

 先日、紅葉の賑わいが過ぎた箱根に行ってきた。私達の駐車した車の真
横に空き缶がふたつ、恐らく前に止まっていた車が、出発する前に助手席の
ドアを開けて地面に置いたのだろう。

すこし離れた場所に大きなゴミ箱があるにも関わらず、である。以前は、
春・秋の行楽シーズンと言えば、家族はお弁当に水筒を持って出掛けたもの
だった。

しかし外食産業の発達とコンビになどの普及の為か、お弁当はできあい、飲
み物は缶ジュースと言うケースがかなり増えている。買った弁当の容器は
その場でゴミとなる。持ち帰ることはまずない。

 行楽シーズンとは、人々が喧騒を自然に持ち込み、ゴミを自然に残して行く、
そんな季節になってしまったのだろうか。

 紅葉の色が鮮やかに見えるのは、水流や周りの自然がすがすがしい脇役
だからこそ、なのである。

 追記・今日はその箱根へサークル仲間とのダンス旅行である。車を連ねて…
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