いろはに踊る

 シルバー社交ダンス風景・娘のエッセイ・心に留めた言葉を中心にキーボード上で気の向くままに踊ってみたい。

相か運か やはり相か 57編

2005年08月27日 08時28分21秒 | 娘のエッセイ
 先日、京浜東北線に乗った時。”ドスン”と私の隣の座席に腰を下ろしたのは、
まだ若い外国人の男女だった。「嫌だなぁ、きっと何か話しかけてくるぞ」と思っ
ていると、案のじょう「ここは関内ですか」と、東神奈川駅に着いた時、話しかけ
られた。

 実は私、どういう訳か人に話しかけられやすい。人相などみてもらったことはな
いが、声をかけやすい顔つきなのだろうか。何かと聞かれてくるのは序の口で、
電車で隣に座ったとたん、世間話を始めた見知らぬおばちゃん、やはり電車内で

会話を交わした黒人男性、サラダバーの前で出会ったオネーチャンなどなどキリ
がない。なぜ大勢の人の中で声を掛けるのよー!と言う感じである。

 人相がなせるわざか、はたまた持って生まれた運なのか、それは定かではない
が、私は他にも面白いジンクスを持っている。それは、私が入社する会社は繁盛
する”というものだ。

 最初に勤めた病院では、一日の目標患者数を達成した大入袋が出たし、次の
電気会社でも世間が不景気の中、多額の賞与を私はもらっていた。

そして現在の技工所では、私の入社二・三ケ月間で、前年度二期分の赤字をす
っかりチャラにしてしまったのである。

 しかしこの技工所、自社ビルを買ってからがいけない。売上げ、社内のムード
共に下降一直線である。原因は、私のジンクス以上にすごいものが、そこに存在
していたからなのだ。

 ○○の中古ビル。最初に入った産婦人科、二番目の整形外科はつぶれ、三番
目の会社も他え移転した後、倒産してしまった。そして四番目に買い取ったのが
我社。

 このビルのビル相は最悪だったのだ。そればかりではない。このビルは呪われ
たビルだったのである。

 男性社員の何人かは聞いたと言う。午前一時過ぎ、仕事をしていたら誰もいな
いはずの階段を昇っていくパタパタという足音を。
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2 コメント

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講評 (荒木)
2005-08-27 08:43:53
 これはまことにいい。二重構造になっている。ふつう、私と会社の相性というオハナシでオシマイになるのですが、そんな相性をぶっとばす強力な「ビル相」が出現する。という二重構造、この変化が、作品をこのうえなくたのしーいものにした。ラストにオカルトふうのオチまでついた。



 書き出しもいい。人にはなしかけられやすい顔。ナルホド、そういうのはたしかにある。貴女をみていると、私にもワカル。

 教室の中でも、何となく、スンナリと声をかけやすいムードがあります。

顔だけでなく雰囲気と思う。あなたは明るいのです、本質的に。だから会社も発展する。
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私も思う (わがまま)
2005-08-27 18:50:53
 何故自分にだけと言うことありますね。

私の場合は、電車内でのことです。長椅子の場合に自分が座っている前に必ず人が立つということです。

 何処に座っても、こないでくれと願えば願うほど前に立つ!

 もっとも劇的なことは、車両内に立っている人は唯の1人。あろうことか、その人が私の前に立って新聞を読み始めた。

 こんなことってあるんですね。宝くじに当たってくれればいいのに、ホントに!
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