いろはに踊る

 シルバー社交ダンス風景・娘のエッセイ・心に留めた言葉を中心にキーボード上で気の向くままに踊ってみたい。

をんな~おんな!

2010年12月21日 22時04分19秒 | 兎に角書きたいの!
 12月26日まで日本新聞博物館企画展示室」(横浜市中区日本大通11横浜情報文化センター内)において、「おんな」と題しての写真展が開催されている。内容は、昭和と平成の女性たち(1945~2010)を土門拳、木村伊兵衛、田沼武能ら145人の写真家が撮った。しかも14万8千点から選んだ211点が展示されている。

 衝撃的な写真があった。「21歳の嫁の手」と題し両手に刻まれた想像を絶するあかぎれ!埼玉・昭和38年秩父の山村、急な傾斜地の桑畑。嫁は素手で掘るようにして雑草を抜き続けねばならない。のコメント!

 写真集を求めた。序文に瀬戸内寂聴氏の「おんなたちの命のあかし」が掲載されている。

「おんな」と題する写真集を開いて、私は頁をとめることができなかった。一枚一枚の写真に「ウオーッ」と声をあげたいような、なつかしさと、感動がこみあげてきた。
 大正11年(1922)生まれで、今年満88歳になる私は、大正、昭和、平成を生き抜いて、生き残されている正真正銘の「日本のおんな」である。今や老婆となり、更に尼になって以来、男も絶っているが、今尚れっきとした「おんな」である。老体のすみずみまで、まだ、みやくみやくとした熱いおんなの血は流れている。
 そんな私にとって、この写真集は、一気に自分の生きた米寿の歳月を振り返らせてくれた。この本では1945年、つまり終戦の年から2010年までの「おんな」の歴史が時代を代表する名写真家によって活写されている。……
 この中で生き残っている人々も、やがて必ず一人残らず死んでいくだろう。すべてのおんなたちの真剣な命の墓碑銘として、この本がおんなたちの手から手へ渡されていくことだろう。

 おんな!女性たちの生きる力!その生命力に圧倒された。「授乳」と題して昭和34年(1959)。木村伊兵衛氏は毎年秋田を訪れ、農村の暮らしを記録した。昼食の合間をぬってわが子に授乳するお嫁さんの姿に感銘を受けた。是非鑑賞していただきたい写真展である。日本の底力を!

雪花菜(朝の詩・22.12.22産経新聞)
  おからって漢字で 雪花菜 お豆腐の 絞りかすとは思えない 美しい名だ 目立たず奥ゆかしく 食卓の隅に
  そっと佇んでいる彼女 誰しもその優しい味を わすれない 雪花菜という当て字が ふさわしい 古き日の
  日本人女性みたい  (大阪府岸和田市・野上寛子35)

コメント
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