邦画ブラボー

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「無法松の一生」阪妻版

2008年01月08日 | ★人生色々な映画
新年最初の映画は
阪妻の「無法松の一生」でした!

なんと公開されたのは1943年。
戦時中である。
検閲でカットされたため、
吉岡の奥さんへの思慕を表すシーンなどが
綺麗さっぱり抜けていて
不自然なつながりになっているのがザンネン。

元気で酒を飲んでいた松五郎だったのに
雪景色の後
いきなり遺品が映し出されるなんてあんまりだ。

実は暮れに同じく稲垣浩監督の三船敏郎版も見たので
ストーリーの切り取られ具合が良く分かったのだ。

そんな無残な仕打ちを受けながらも
この作品が素晴らしいのは
なんといっても!
阪東妻三郎
という役者の魅力によるところが大きい。

八の字眉毛で笑う、それだけでたまらない愛嬌!
役者は顔が命、そんな言葉も版妻を見ると納得してしまう。
それほど立派な顔なのだ。
高廣さんはもちろんいい、正和も。亮もいいけど
やっぱり親父だ!何か普通でない、超越したものを感じる。
時々笑ってしまうくらいエグイがそれも版妻のスケールだ。

湿っぽくなりすぎない伊丹万作の脚本もいい。
松五郎が飛び入りで
祇園太鼓を叩く有名なシーンは
カメラがものすごい速さでぶんぶん回るのでびっくり!
当時では斬新な映像だったのではないだろうか。

「ぼんぼん」と一緒に遊んだ日々、祭り、喧嘩、そして祇園太鼓!
人力車の車が回る映像にオーバーラップして
めくるめくような映像が繰り広げられるラストは圧巻だ。

私も人生の最後に宮川一夫のカメラで撮った自分の一生を見たい!(爆)

主演・阪東妻三郎/脚本・伊丹万作/撮影 宮川一夫
監督・稲垣浩/1943年/

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