邦画ブラボー

おすすめ邦画(日本映画)のブログ。アイウエオ順(●印)とジャンル分け(★印)の両方で記事検索可能!歌舞伎、ドラマ感想も。

「東海道四谷怪談」

2004年08月13日 | ★恐怖!な映画
貞子と四谷怪談のお岩さん、今、どっちが現れたらだろうか・・
と、馬鹿なことを考えてみました。

存在し得ないものが目の前に現れる。
「リング」の真田広之、そして伊右衛門の恐怖は
いかばかりだったでしょう。

日本人なら誰でも知っている四谷怪談。
ここで出る!とわかっていながら
指の隙間から画面を見る楽しさは、
ジェットコースターの頂上から、
「キャ~!」と叫びながら落ちる瞬間のようで
スリルです。

やめられません。

中川信夫監督の「東海道四谷怪談」は、
たたみかけるようなテンポが心地よいです。
音楽の使い方や普通じゃないカメラアングルも必聴必見なので、
だまされたと思って見てください。文句なしの傑作です。
怖いですけどね。

さて、最近売れていると言うサントリーから出ているお茶、「伊右衛門」
あまりにインパクトがあるこの名前。
単純に考えると、宮沢りえさんはお岩さんかなと
思ってしまいますよね。

ところが「民谷」伊右衛門というわけではなく、
このお茶の製造元である、京都の福寿園というお茶屋さんの創業者のお名前だそうです。
知りませんでした。

あ、そうそう。
私の家にはどっちも「出やすい」ように、
テレビも仏壇も、あることはありますけどねえ・・・。

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「怪談」

2004年08月11日 | ★恐怖!な映画
あなたが今まで見た中で一番怖い映画は何ですか?

そう聞かれたら私は間髪を入れず、
小林正樹監督「怪談」!と答えるでしょう。

4作のオムニバス形式になっている素晴らしい完成度の映画ですが、
今までに「見た」と言う方に出会ったことがありません。
どなたか見たよという方はいらっしゃいませんか?

原作はラフカディオ・ハーン=小泉八雲の
「怪談」で、「黒髪」「雪女」「耳なし芳一」「茶碗の中」
4作から構成されている。

音楽、美術、脚本、みな超一流で出演者も新珠三千代、
三國連太郎、仲代達矢、岸恵子、丹波哲郎という豪華版。

完璧主義の小林監督が凝りに凝って作った挙句、
制作費が莫大になり大赤字を出してしまったといういわくつきの映画。

タイトルバックからいきなり映画の世界に引き込まれる、
怖くて美しい映画。

小学生の頃にうっかり見てしまい、一番最初の「黒髪」、でノックアウトされてしまいました。

今回DVDレコーダーで編集するために見たのですが、
編集するのさえ怖かったんですよね~~
タイトルが始まった途端、小学生の頃の感覚が
まざまざとよみがえりました。

調べてみたら、なんと
DVD
でも発売されたんですね!

セットの美術も必見。
おすすめです。

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「放浪記」

2004年08月08日 | ★人生色々な映画
下がり眉です
これがあの「雁」の高峰秀子さんか?!と
思うほどの変貌ぶり。

主人公の林芙美子に近づくために
徹底的にメイクや仕草などにこだわったそうで
高峰さんのエッセイによると、その思い切った役作りを
当時ずいぶんこきおろされたらしい。

最近では森光子さんの舞台が有名ですが。

「花の命は短くて、苦しきことのみ多かりき」

社会の底辺で貧しさにあえぎながらなお
創作を続けた、芙美子の強靭な精神力に驚く。

人はどんな環境におかれても、
「最後の砦」を持てるものなのだとファイトが沸いた。

参考:
*「林芙美子の昭和」川本三郎

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「雁」

2004年08月07日 | ★愛!の映画
高利貸しのおめかけさんになった薄倖の娘が
学生に淡い恋を抱き・・
森鴎外原作の「雁」の高峰秀子版を見ました。

坂の途中にある小さな家は、
いつ旦那が来てもいいように
こざっぱりと片付けられている。
旦那は商いの合間に昼間でもそそくさとやってくる。
そんな時、お玉は女中に小遣いを渡し銭湯にやるのです。

玄関の格子戸にそっとかんぬきをかける仕草が
色っぽく傷ましい。

身分違いのエリート青年の将来を想って、
身をひく姿が哀れ。
芥川龍之介の息子、比呂志がその青年を演じている。

明治の家・街並みが見事に再現されている。
東野英次郎がいいんですよねえ。憎たらしさの中にも
味があって。お玉を呼ぶ声が甘ったるくて。

豊田四郎の大傑作。

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「小早川家の秋」

2004年08月06日 | ★人生色々な映画
小津安二郎監督の「小早川家の秋」のひっそりとした家の中。
関西の商家の夏の日々。

整然と片付いた、ちょっと薄暗い居間に響く蝉の声。
涼しげな簾戸や、お盆のしつらえなどに、
懐かしい日本の夏を見ることができます。

中村鴈治郎と
愛人の浪花千栄子の息のあった会話は
時々どきっとするほど艶っぽい。
年を重ね、こんな会話が出来る二人っていい。

いつまでも二人のお喋りを聞いていたくなる。

この映画でも新珠三千代、浪花千栄子などの
こなれた浴衣姿をみることが出来ます。
みんな団扇をパタパタ。
クーラーなんて無い時代です。
浴衣には団扇がぴったりきますね。

小津監督の死生観が感じられる作品でもあり、
そのカラリとした乾き方が好みです。


*小津安二郎生誕100年記念


*「小早川家の秋」DVD

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