邦画ブラボー

おすすめ邦画(日本映画)のブログ。アイウエオ順(●印)とジャンル分け(★印)の両方で記事検索可能!歌舞伎、ドラマ感想も。

「近藤勇池田屋騒動」

2005年05月24日 | ★ぐっとくる時代劇
BS2で放送されていた。

古いため、放送ぎりぎりのフィルムの状態。
ぶつぶつとノイズが入ることしきり。
だが、このような状態でも放送してくれてありがたい。

芹沢鴨(進藤英太郎)の粛清と池田屋事件が大きな柱。

時折ユーモラスな場面も入れるなど、肩の凝らないつくり。
近藤勇(嵐寛寿郎)と泣き虫の沖田総司(徳大寺伸)の絆、
沖田と町娘(左幸子)のほのかな恋のエピソードなども描かれている。

芹沢が徹底した悪役になっている。
色、酒、金に汚く、新撰組の名を汚し暴走する。
芹沢を斬るべきか否か、近藤は悩む。
脚本は「非情都市」、「赤ひげ」などの井出雅人

進藤英太郎は調べてみたら300本を越える映画に出演していた。
悪役もうまいが、クレージーキャッツの映画など喜劇にも
数多く出演していて大変存在感があった。久しぶりにお顔を見て
俄然、他の出演作も見たくなった。

美しい鴨川べりの風景など、ロケを多用して幕末の京都の雰囲気を再現。

ハイライトはなんといっても後半の池田屋襲撃だ。
新選組方はほとんどアラカンを中心にカメラが回っている。
構えるだけで「絶対デキル」と思わせる迫力、隙のなさはさすが。
乗り込む前、隊員たちを前に
「女子供には絶対に手を出さぬように」と力強く檄をとばしているのにもかかわらず
ついた途端に、隊員のひとりが芸者(花井蘭子 )をばっさり斬っているのにはあきれた。

池田屋の使用人や、あわてふためく侍たちの様子がリアル。

池田屋騒動は色々な作品で描かれているが
特筆すべきは屋根の上と、鴨川へざぶざぶ入っての斬りあい。
どちらも臨場感ある演出だった!

この場面ではいつも新選組よりも攘夷派の斬られる方に目がいってしまう。
アラカンがチョイと刀を振るたび、もんどりうって二階から落ち、
吹っ飛び、転がるさまは芸術的。
階段落ちは何度もあったが
組み合ったまま二人で階段を落ちるシーンがあり、驚いた。

どこか求道者を思わせるような
生真面目な近藤勇は、アラカンだからこその味わいだろう。

1953年 池田菁穂監督作品   脚本 井手雅人  新東宝

■人気ブログランキングへ
よろしかったらお願いします

最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
リアルタイム (霧子)
2005-05-26 20:02:55
どれをとってみても懐かしく観ておりました。



ずっと、ずっと昔…、あなたが生まれるずっと前…。



映画館で観て以来…。



忘れかけていた記憶が目を覚ましました。



…、…。



返信する
ありがとうございます! (spok23)
2005-05-26 20:22:09
霧子さま、コメントありがとうございます。



リアルタイムですか!うらやましい限りです。

素晴らしい映画の数々ですよね。

映画館の賑わいが想像出来るようです。



思い出していただいて本当に嬉しいです。

またお気軽にコメントなど書き込んでくださいませ。
返信する

コメントを投稿