邦画ブラボー

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「県警対組織暴力」

2005年11月27日 | ★ハードボイルドな映画

シリーズDVD全部揃えたあなた、
「広島死闘篇」がまだ忘れられない御仁は
ぜひ「仁義なき戦いシリーズ」のとどめ、
笠原和夫脚本「県警対組織暴力」も見て!!
そこまでのコアなファンは見ておられると思うけど・・
はっきりいうて「新・・」は別ものですから。

この題名は東映の岡田社長がトイレでポン!と思いついたという。

のっけのつかみがすごい。

若いもんをずらっと並べ菅原文太の声が響く。

「拳銃不法所持!」ビンタ、
「武器道具集合罪!」ビンタ!張り倒し。
「公務執行妨害!」ビンタ!

「お前らみたいな雑魚をブタ箱に放り込んでみても
税金の無駄遣いじゃ。やるだけやって死んでこい!その方が掃除が早いワイ!!」


台詞で頭殴られるってこんなかんじですかね。

「ぼけーとしちょらんとはよう出入りにいかんかい!」

あの、広能昌三が帰ってきた!と
一瞬錯覚するこのど迫力。
でも実は180度立場逆転して警察側。部長刑事。

警察官になったのは、ピストルを持ちたかったから・・
という動機の久能。

「捕まえられるより捕まえる方になろう思うてのう。」

ダーティ・ハリーなんか目じゃないダーティさ。

どっちが県警でどっちが組織暴力かわからないような血と暴力場面は続く。

川谷拓三が菅原文太と山城新伍に取り調べ室で
ボコボコにされるシーンは歴史に残る。
菅原文太と松方弘樹のからみ、松方VS池玲子タッグマッチ。
梅宮辰夫のエリート警部。金子信雄、成田三樹夫も出ている!

この映画は深作欣二の・・というよりは
「総長賭博」、そして
「仁義なき戦いシリーズ」で我々の度肝を抜いた
脚本家、笠原和夫の映画だと思う。
構成がかっちりタイトにきまっている。
そして躍動する登場人物たち!

終わりは当然ハッピーではありません。
この緊迫感、疾走感そして絶望感よ!
ブラックユーモアもバシバシ効いている。

笠原は晩年「やくざ映画の笠原と言われるのはうんざり」と
言っていたそうだが、自分が書いた作品の中でこの映画が一番好きだったとか。

だがこの後、深作監督とは色々あって完全に決別することになる。
笠原は最後にコンビを組んだ「やくざの墓場・くちなしの花」を見てもいないそうである。

1975年 脚本:笠原和夫 監督:深作欣二  東映

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