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「里見八犬伝」

2005年01月21日 | ★ぐっとくる時代劇
再見。

こんなにテンション高かったっけ?
というのが最初の印象。
なにしろ千葉真一、真田広之、志穂美悦子などが所属していた
JAC(ジャパンアクションクラブ)がもっとも勢いがあった頃。
そして角川映画も。

特撮がしょぼいなんて言わないで。
老婆が顔をバリバリひん剥いたと思ったら目玉がびよ~~んと飛び出し、
あっという間にむかでの化け物に変身するなど・・文句なしに・・
楽しい。

滝沢馬琴の「南総里見八犬伝」をベースにした
深作欣二監督・鎌田敏夫原作脚本の新八犬伝。

八犬士と妖怪集団との戦い。
悪者、いいもの、どちらも魅力的。

妖怪軍団の女王、夏木マリ
血のお風呂に入ると若返るというていたらく。
この映画の体当たり演技で妖怪キャラに開眼したと思われる。

夏木マリが溺愛する息子に、
妖しいメーキャップでますます濃い目黒祐樹
蛇の精?、妖の介に萩原流行(ながれとよんで)

八犬士は苗字にみな「犬」がつくのだ!!
真田広之(犬江親兵衛)、千葉真一(犬山道節)
寺田農(犬村大角)、志穂美悦子(犬坂毛野)
京本政樹(犬塚信乃)、大葉健二(犬飼現八)
福原時浩(犬川荘助)、苅谷俊介(犬田小文吾)

どうでしょう。このまがまがしさは!

「将軍家光の乱心・激突」では大いに空回りしていた
京本政樹のテンションの高さも、この映画ではちょうどいい。
それほどみんな狂おしいほどに派手で熱い!のだ。
京本と岡田可愛のカップルも屈折していてよい。

そしてこの映画で最も光っているのは、
真田広之はまあ置いといて、
現長渕剛の妻で芸能界引退してしまっている、
志穂美悦子!

切れのいい抜群のアクション、
確かな演技力、宝塚スターのような美貌と
三拍子揃った才能を持ちながら引退してしまった。
若くて一番綺麗な頃の作品が見られるからいいか・・
あらためて長渕剛をうらめしく思った。

真田広之ははじけてます!後ろ回し蹴り、飛び蹴り、
崖登りと、若さいっぱい。
ヒロイン薬師丸ひろ子とラブシーンも。

最近こういう荒唐無稽で楽しい映画があまりないなあ・・

その昔、岡田真澄と契約結婚という変わったことをして
話題になった、パントマイムのヨネヤマママコが「船虫」役で出演している。

「クリムトの間」での”ながれ”と志穂美悦子のからみは見もの!

1983年 深作欣二監督作品 鎌田敏夫脚本 東映

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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
こんばんは。 (一番星)
2005-04-26 01:19:33
「里見八犬伝」ネタをTBさせていただきました。



も~同感です。

荒唐無稽で楽しい映画は角川の真骨頂ですね。

こういう映画もイイよなあ。

JACって、偉大だよなあ。

深作さんって、やっぱスゴイよなあ。



な~んて思いつつ、

夏木マリの血の池のシーンにノックアウトされました…。

返信する
JAC (spok23)
2005-04-26 09:20:58
こんにちは、一番星さん。



まさに娯楽映画!ですよね。



夏木マリさんは大胆な脱ぎっぷり、

怪演炸裂!してましたね。

目黒祐樹もなかなかでした。

薬師丸ひろ子も可愛かったし、真田広之JACバリバリ・・

要するに登場人物みんなが光ってましたね。



面白かった!
返信する
はじめまして (天藍)
2006-05-30 21:30:33
里見八犬伝でトラックバックさせていただきました。いやあ、夏木さん最高に素敵ですよ!クリムト部屋のシーンは物凄い印象に残りますよね。単純に楽しくて、夜遅いのに一気に見てしまいました。。
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はじめまして! (ブラボー)
2006-05-30 22:13:25
天藍さん、こんにちは。



夏木さん、美しく妖しいですね!

すごいテンションで一気に見せますよねえ~

「魔界転生」もよかったですけど、

この頃の深作演出は冴えてますね。



また遊びに来てくださいね!





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「里見八犬伝」は傑作です (mirage)
2023-02-21 23:24:53
かつて夢中になって観ていた角川映画の数々。
しかも、日本で最も大好きな深作欣二監督の作品で、お気に入りの真田広之と薬師丸ひろ子の共演という事で、ワクワクしながら楽しく見た映画「里見八犬伝」。
この映画は思い入れのある作品ですので、感想を述べてみたいと思います。

"奇想天外で伝奇的な幻想怪奇の青春ロマンの傑作"

昭和51年、当時の"時代の寵児"とも言うべき角川春樹が、出版界から映画界へ華々しく切り込んで来た時に、「映画は芸術なんてカッコいいもんでなく芸能ですよ」と語っていたのは有名な話ですが、同年10月に公開された「犬神家の一族」以来、彼はこの言葉通りの路線を脇目も振らず、一直線に突き進んでいきました。

そんな角川映画のある段階での総決算とも言えるのが、この「里見八犬伝」で、当時の製作費で10億円をかけ、角川映画としては、それ以前の「復活の日」と並ぶ超大作であり、角川春樹のロマンが込められていました。

つまり、この映画は"日本的SF"であり、"日本人のロマン"であると共に、主演の薬師丸ひろ子の"アイドル映画"であり、彼女と真田広之をスターにした"青春ドラマ"でもあったのです。

この映画の前に製作された「戦国自衛隊」は、角川映画としては画期的な作品で、当時、彼は「時代劇の中にSFを盛り込んだ青春映画を創りたい」と抱負を述べていましたが、この半村良原作の映画は、タイム・スリップによって過去の歴史に近代を持ち込むというユニークな発想が、映画の持つ楽しさに満ち溢れていましたが、この異色のSF時代劇が「里見八犬伝」に受け継がれ、更に伝奇的な幻想怪奇ロマンとしてヒートアップされているように思います。

それは「戦国自衛隊」のアクション監督兼主演が千葉真一で、彼の率いるJAC(ジャパン・アクション・クラブ)が、「里見八犬伝」という映画に大きなエネルギーをもたらしている気がします。

映画「里見八犬伝」の原作は、鎌田敏夫著の「新・里見八犬伝」ですが、この"新"八犬伝はまさに角川春樹独自のユニークな発想を小説化したもので、江戸時代の大衆文学の傑作、曲亭馬琴の「南総里見八犬伝」の中では全く見当たらない、若い二人の青春ロマンを新しいテーマとして描いているように思います。

しかし、もともと曲亭馬琴の「南総里見八犬伝」は、神秘的で伝奇的な怪奇幻想に満ちており、その異様なムードと奇想天外な展開と、八犬士の活躍は、昔から多くの"少年達の心を血沸き肉踊らせて来たもの"だけに、日本的なロマンの原点を継承するものだったのだと思います。

そして、この"八犬伝"の映画化に着目し、映画化に向け、構想10年に及ぶ執念を持ち続けてきた角川春樹の情熱こそ、当時の沈滞していた日本映画界復調の起爆剤になったのでした。

角川映画としての最高傑作は、やはり「蒲田行進曲」ですが、その映画の深作欣二監督の職人芸が、この「里見八犬伝」でも存分に発揮されています。

映画の原点である活動写真の持つ楽しさ、面白さを「蒲田行進曲」では心ゆくまで堪能出来ましたが、この「里見八犬伝」では更に真正面から押し出されているような気がします。

荒唐無稽な見世物に徹する深作欣二監督は、日本映画のありとあらゆる手法を駆使して飽く事を知りません。
カット、カットで積み上げるスピード感溢れる画面作りは彼の真骨頂で、迫力のあるアクション・シーンは、我々観る者を夢中にさせ、圧倒してやみません。
現在の日本映画の特に若い監督達の長回しシーンでは、このような活劇のワクワクするような爽快感、壮快さはとても表現出来ません。

そして、この映画の白眉ともいえる、八犬士が立ち向かう館山城の妖怪軍団(夏木マリ、目黒祐樹など)の魑魅魍魎的な健闘も、この映画の面白さを非常に際立たせていて最高でした。

その魑魅魍魎の跳梁を生き生きと映像化した特撮、それにスペシャル・メークや美術などのどれもが素晴らしく、また、ロック・ミュージックをバックにしたジョン・オバニオンの主題歌が意外に映像とマッチしていたのも新鮮な驚きでした。

この作品は、現在の日本映画が忘れている、我々観る者を熱狂させ、興奮させるような、映画の原点とも言える"荒唐無稽な見世物に徹する、血沸き肉躍るロマン溢れる冒険活劇"であったと思いますね。
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mirageさんへ (ブラボー)
2023-02-22 16:29:20
mirageさん、
本当にこの「里見八犬伝」は今観ても
大迫力の傑作だと思います。

観るものを釘付けにしてしまう圧倒的なエネルギーに満ちていますね。
ワクワク胸躍る展開に時間を忘れて見入ってしまいます。
真田広之 薬師丸ひろ子の清々しいカップルと
禍々しい悪の軍団との対比が際立っていましたね。
深作監督の畳みかけるような演出
華がある映像、どれもこれも素晴らしいですね~~
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