初夏に放送されたシリーズの再放送。
猫を愛した芸術家、夏目漱石と向田邦子の場合を
証言者のコメントを交えながら
ドラマ仕立てにした番組。BSプレミアム。
夏目漱石には鶴見辰吾くん。
”くん”と呼ぶにはあまりにもベテランですね。
和田勉阪「天城超え」で大谷直子と佐藤慶を
向こうにまわして一歩も引けをとらなかった名子役が
漱石をやるとは。
月日が経つのは早いものですねえ。
それがなんと
漱石クリソツなんだから、お立会い!
名作「我輩は猫である」を皮切りに
飼いはじめた猫が「福」をよんでくれたかのように
小説家として軌道に乗り始めた漱石。
神経質な気質も順調な筆の進みと猫の存在によって和らいだようで奥さんもほっとしたようです。
端正なたたずまいの鶴見君、着流しが似合うこと似合うこと。
明治の家の雰囲気もいいです。
余分なものが無く、綺麗に整頓され掃き清められた室内。磨きこまれた廊下。
もちろん電化製品やプラスチック製品などというものは皆無です。
猫と漱石と静かな庭。
絶妙にマッチした美しい風景の中にゆっくりとした時間が流れておりました。
なんてったって猫とのつかず離れずの関係が心地よかった。
解説者として漱石を義祖父に持つ
作家の半藤一利。←素っ頓狂なおじさん(爆)
向田邦子も独り暮らしのパートナーとして
猫はかけがえの無い存在であった。
人気作家としての華々しさの裏に、
人知れず大きな悩みを抱えていたが
決して弱音を吐かず全うした。
彼女の苦しみは猫だけが見ていた。
証言者として小林亜星と妹の和子さん。
漱石の鶴見辰吾、
向田邦子のミムラ共、
まるで本人はこうだったんじゃないか?と思わせるくらいの好演だった。
実在の人物をモデルにした場合、あまりにかけ離れていると
しらけますもんね。
猫とのかかわりの中で見えてくる
芸術家の知られざる側面を短いドラマで面白く表現していたと思う。
藤田嗣治(竹中直人)、内田百(石橋蓮司)の回もぜひ再放送されたし!!
震災以降、TVJapanという主にNHKの番組を流しているケーブルの契約をしているのですが、この番組、放送してほしいものです。
特に「内田百(石橋蓮司)」!
この夏は百センセの『東京日記』を読みました。
いつも百センセの作品は、不思議な読後感なんですよねぇ。
残暑お見舞い申し上げます。
この番組おすすめです。
猫好きならなおさらでしょうが、
猫好きじゃなくても楽しめます。
といいますか猫が飼いたくなりました(笑)
百センセを石橋蓮司!
ってどんな感じか見たいですよね!!
最近BSプレミアムが色々面白い番組
作っていて見逃せませんわ。
私もこの番組、たまたまですが見ました。
うちは猫を飼い始めてまだ半年なのですが、
ここまで深い愛情(という言葉だけではたりないほどに)で
付き合っていけるのかどうか、考えてしまいました。
鶴見さんの漱石、細くて渋くて素敵でした。
漱石といえば、不器用でいつも体調が悪そうなイメージがあるのですが(笑)…
向田邦子は独身であったため、猫に対しては、
漱石とはまた違うタイプの思い入れだったろうと思います。
和子さんが苦労されたお話も、印象深かったです。
鶴見さん、とても雰囲気があって
素敵な漱石でしたね。
向田さんと猫の関係も興味深かったです。
猫を託された和子さんの思い、
嫌というほど伝わってきましたよね。
猫を飼われている方には
より感慨深いドラマだったことでしょうね。
私はどっちかというと犬派だったのですが
このドラマを見てから強烈に猫が
飼いたくなりました。
マメさんがうらやましいです(笑)