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鬼平犯科帳”71「はさみ撃ち」感想

2013年01月30日 | ●面白かったTVドラマ

先代幸四郎(松本白鸚)主演の

元祖鬼平犯科帳シリーズは

大胆な演出と

名優のゲストによる、粒より作品が見られる。

 

特に「時代劇専門チャンネル」で

昨日放送された「はさみ撃ち」」(脚本・井手雅人、監督・小野田嘉幹)

はう~~んとうなる名作だった!

 

昔盗賊だった男の家に

そうとは知らず押し入った盗賊が

ベテラン盗賊と、

盗賊仲間と見せかけた平蔵たちにはさみ撃ちにされる話。

平蔵たちの変装や

柳の女房、八木昌子の色っぽさも良かったが

柳永二郎扮する、元大泥棒の風格は

アカデミー賞主演男優賞なみでした。

 

薬問屋の主、柳永二郎は足を洗った大盗賊の頭で

年老いた番頭(佐川 俊二)も実は手下だったが

盗んだ大金を元手に

何食わぬ風情で堅気の生活を営んでいた。

 

年が離れた欲求不満気味の(爆)女房(八木昌子)がひっかかった

出入りの商人は

実は大店を狙う盗賊の一味だった。

女房が浮気していることを知りながら

そ知らぬ顔で泳がせる老獪な柳。

つまらぬ嫉妬などとは無縁な、

世の中を知り尽くしたような冷徹な目には

恐ろしいほどの凄みがありました。

 

番頭に話す言葉・・・

「俺は眠れねえ夜にはよ、 昔やった仕事をひとつひとつ思い出すんだ。

面白かったなあ・・おい」

「所詮女なんてものは不出来なものよ」

「男はやはり死ぬまで仕事がついてまわるもんだぁな・・・」

若者にはかもし出せないシニアの叡智、粋、

余裕がぎっしり詰まっている。

台詞まわしが粋で~~~~す。

 

喜劇役者佐山俊二の

相方であり、古女房のような番頭も

ユーモラスで味わい深く・・・ 

 

酸いも甘いもかみ分けた、

海千山千の年寄り二人が、上機嫌で互いを労わり合うように

肩を寄せ合って歩くラストは

極上のほうじ茶と和菓子をいただくような

安心感とくつろぎ感に満ちていました。

 

息子吉右衛門も素晴らしいけど、

松本白鸚の平蔵は原作者池波正太郎のお墨付とあって

堂々とした風格と人情味、

さらに全身からほとばしる江戸の粋・・で

番組をきりりと引き締めます。

 

 「あれは、もう人間の顔じゃねぇ・・

あそこまで 行けば仏様だ。欲も得もなく、毒も害もねぇ。

あれが大盗賊だ。オレの若い時分には、 大分残っていたが近頃じゃ・・格が落ちたな・・」(笑)

 

シリーズ全部チェックしたい!!

 「時代劇専門チャンネル」にて

 

脚本・井手雅人、監督・小野田嘉幹

 

 


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