ひ、ひとが燃えてる~~~~~!!
びっくりしたなあもう!!
何度「あっ!」と叫んで腰が浮いたことか。
工藤栄一監督の過激な演出が冴え渡っております。
このあいだ三池監督によってリメイクされた
「十三人の刺客」(’63年)の4年後に公開された佳作。
無駄なジョークもいれずに一気に突っ走る、
ソリッドな任侠集団抗争時代劇。
将軍の弟であることを嵩に、暴虐を極める館林藩藩主松平齊厚(菅!貫太郎)に
主君を殺され、お家御取り潰しの憂き目に会う
夏八木勲以下忍藩十一人の侍のリベンジ物語。
冷徹なお役人水野越前守(佐藤慶)に
まんまとだまされる館林藩家老、南原宏次=(今回は悪役じゃない)が哀れでした。
十一人の中には
「十三人の刺客」メンバー、里見浩太朗、西村晃が入っていてにんまり。
菅を守る館林藩家老には大友柳太朗と、
要所要所を
いい役者でがっちり固めております。
さて、大願成就までには犠牲がつきもの。
あっぱれな死に様をさらす若侍(近藤正臣いい仕事してます)、
夫の邪魔にならぬよう自害する侍の妻など、日本人にはぐっとくる泣き所も押さえております。
ここいらへん、ちょっと「忠臣蔵」入ってます。
ためにためて
いざ!という決行場面は半端なく美味しいです!?
深い森の中、
疾走する馬が砂煙の中、浮かび上がってくるシーンは鳥肌が出そうなくらい
カッコイイ。これだけでもものすごい見もの!
さらに
ラストの豪雨(この設定は「七人の侍」の激しさを思い出させる)の中での死闘は
「十三人・・」を彷彿・・いやもっとすごいかも!・・と思わせる迫力で大満足。
侍社会の無常観も漂わせ、圧巻エンターテインメントに仕上がっています。
余談ですが、
工藤監督って「刃物」の扱いがうまいというか、
殺陣がものすごくリアルで痛そう・・・
撮影の吉田貞次は「仁義なき戦い」シリーズのキャメラマン。
どどど~~~っと音がするような、臨場感のある画を撮られております。
アドレナリン沸騰!
1967年
企画 岡田茂 天尾完次
脚本 田坂啓 国弘威雄 鈴木則文
撮影 吉田貞次
美術 塚本隆治
照明 井上孝二
音楽伊福部昭
追記:この映画を企画された岡田茂さんがお亡くなりになったとか。
謹んでご冥福をお祈り申し上げます。