工藤栄一監督の集団抗争時代劇の三部作だ!
どれも最後に大迫力の抗争場面が控えているが
この作品では
「川」に入っての斬り合いが爆発的にエネルギッシュ!
手回しカメラによるリアルな映像は
まるで自分も斬り合って!?いるような気持ちにさせてくれる。
そしてこの作品では「音」もすごい。
戦闘場面にかぶさるすさまじい怒号と叫び声が、より臨場感を増している。
他にも「音」が効果的に使われている場面があって特徴的だと思った。
四代将軍家綱の時代。
大老酒井(大友柳太郎)は甲府宰相・綱重を
後継に立て、自分の天下にしようともくろんでいた。
それを阻む一派が綱重を狙う。
新婚ほやほやの里見浩太朗も思わぬことから企てに巻き込まれてしまう。
それにしてもこんなに激しく暗い里見様(現・水戸黄門様)、見たこと無い!
さらにクライマックスでの平幹二郎!の
大爆発で胸がす~~~~っとするサービス付。
これが無きゃ、あまりのことにやりきれませんわ。
白黒映画。他の二作同様、光と影のコントラストが最高に美しい。
全体的に話が暗くて娯楽作とは言えないが、
ハードボイルド時代劇の傑作として後世に残る作品だと思う。
脚本は「十三人の刺客」の池上金男。
これもまたおちゃらけ無しのマジ時代劇です。
三部作全部に出ているのが若くてイケメンだった
里見浩太朗なんですね!時代劇好きイケメン好き必見。
★追記:深作欣治の傑作時代劇「柳生一族の陰謀」の印象的なラスト、
錦ちゃんの狂乱はこの大友柳太郎から着想したのではと思いました。
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1964年
企画 松平乗道
脚本 池上金男
撮影 古谷伸
美術 富田治郎
照明 安田興一
音楽 鈴木静一