邦画ブラボー

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成瀬「夫婦」

2005年10月09日 | ★人生色々な映画
仲睦まじい若い夫婦の間に
小さなつむじ風が巻き起こる。

同僚(三國連太郎)の家に間借りすることになる上原謙と杉葉子。
妻を亡くしたばかりの三國は
夫ばかりか自分にまで
かいがいしく世話を焼いてくれる杉に淡い恋心を抱くが・・・

暮れから正月が明けるまでの季節感が
そこここに盛り込まれている。

「クリスマスの夜」の高揚感も上手く取り入れられて
物語の洒落たポイントになっている。

夫婦の間にすっぽりはまってしまう屈託のない、
どこかとぼけた味のある男は
三國連太郎だからこそ嫌味なく見られるのだと思う。

どてらもよく似合う。

また、最初は原節子が演じる予定だったという
杉葉子演じる細君も、
原だったらこんなにさらりとした感触の作品になったかは疑問だ。

成瀬監督は配役のセンスにも長けていたのだと思う。
上原謙も成瀬作品の中では生き生きしているようだ。
適材適所と言う言葉が浮かぶ。

まだアパートなどが乱立していなかった時代。
一軒家の間借りはこの時代、よく見られたのだろうか。

くすりと笑ってしまうユーモアも散りばめられ、
後味も爽やかな佳作。

1953年  成瀬巳喜男 監督作品
脚本 水木洋子 井手俊郎 撮影 中井朝一 音楽 斎藤一郎 美術 松山崇

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